《環境》
マザーボード:Abit BF6(Abit BF6 ClockUp) その他は、わたしの環境(^^;
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《L2キャッシュ検証》
L2キャッシュのスピードとサイズの関係について、こんな話しがあります。 「L2をコア等速とすることで、256KBの容量でも外付け1MBと同等以上の効果がある」 以前、256KBのキャッシュをコア等速で動作させたPentiumPro発表でのIntelのコメントです。 当時、PentiumProが幻となった133MHz版(2倍速)の発売を予定したと思われることから、このコメントは、 「L2のスピード倍増は、サイズ倍増の2倍の効果を持つ」と解釈できます。
実際サイズに関しては、全データが収まってしまうほど大きくなると、それ以上大きくしても効果が出ないので この限りではありませんが、そのままCeleronとKatmai PentiumIIIの関係に当てはまる興味深い公式だと思います。
L2の効果にかかわる要素
CPU |
L2容量 |
L2動作クロック |
バンド幅 |
推定バースト転送クロック |
Coppermine PentiumIII |
256KB |
コア等速 |
256bit |
2 = 2 |
Katmai PentiumIII |
512KB |
コアの2分の1クロック |
64bit |
3-2-2-2 = 9 |
Celeron |
128KB |
コア等速 |
64bit |
2-1-1-1 = 5 |
L2のスピードには動作クロックの他にバンド幅が関係し、バースト転送に必要なクロック数が決まります。 CoppermineのL2転送スピードは、Katmaiの4.5倍、Celeronの2.5倍となり、先の公式に当てはめれば、 Katmaiで512KBx4.5x2=4.5MB、Celeronで128KBx2.5x2=640KB相当の効果ということになります。 (この件に関しては、独自考察なので、事実と異なるかもしれません)
L2の検証
実際、どれだけの速度差があるのか、CORTEST/99で検証してみます。 L2の速度差を見るため、コア速度を504MHzに統一し計測。メインメモリはFSBが異なるので度外視します。 64KB値に注目します。
Coppermine PentiumIII 600E@504
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Katmai PentiumIII 450@504
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Celeron 300A@504
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64KB値の速度差
read速度は同じですが、write速度には劇的な差があり、先の机上考察をほぼ実証する結果です。 やはり、CoppermineのL2はスペック通りの速度と思ってよさそうです。
このテストから、他にわかることががあります。 L1の速度に差が無いことと、Katmai PentiumIIIとCeleronのメインメモリのアクセス速度差です。 L1については、3者同等と見てよさそうです。 メインメモリ度外視といっても、この2者は倍率4.5倍、FSB112MHzで共通しています。 にもかかわらず、Celeronの方がかなり速いのは、Katmaiのメモリアクセスに問題があるからなのかも知れません。 Coppermineについては倍率6倍、FSB84MHzの数字なので、1.33倍掛けで見ると3者で最高の速度になりそうです。
L1を含めAthlonと比較する4TypeCPU・L1、L2キャッシュスピード比較
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《ClockUp検証》
スロット版Coppermineの基準コア電圧は1.65Vです。(ご参考:Coppermineはマスクにご注意) Athlonが0.25ミクロンプロセスで、1.6Vとしていることから考えると、この電圧は上限に近い設定ではないかと思えます。 低クロックのソケット版は、1.6Vになるようなので、スロット版はオーバースペックなのかも知れません。 しかし、600Eは発熱がたいへん少なく、一般的な市販のヒートシンクで810MHzを達成できました。
《600E ClockUp 検証》
コアクロック |
FSB |
コア電圧 |
I/O電圧 |
結果 |
800MHz |
133MHz |
1.55V |
3.2V |
Bios起動のみ |
800MHz |
133MHz |
1.60V |
3.2V |
常用可能 |
810MHz |
135MHz |
1.65V |
3.4V |
Winレジストリエラー発生 |
810MHz |
135MHz |
1.70V |
3.4V |
常用可能 |
816MHz |
136MHz |
1.70V〜1.85V |
3.4V〜3.9V |
Winレジストリエラー発生 |
816MHz |
136MHz |
1.90V《危険》 |
3.4V |
ハング後しばらく再起動せず |
わたしの600Eは、800MHzと810MHzで常用可能ということがわかりました。 なお、I/O電圧の変更は、わたしのメモリ(ヒュンダイTC-10P)をCL2で動作させる為の措置であり、 Coppermineの特性向上が目的ではありません。 むしろ、CoppermineではI/O電圧が上がると不安定になるような印象を受けました。
ClockUpを検証して判ったことは、コア電圧の変更によって特性向上が見とめられたのが、810MHz動作させるため、 1.65V→1.70Vに変更した場合のみだったことで、コア電圧の昇圧があまり効果が無いことを示します。 これは、もともと1.65Vというのが、オーバースペックな設定であることを意味するものかも知れません。 ちなみに、1.90Vでは瀕死の状態になり、かなり危険な匂いがします。
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《主要ベンチ》
HDBENCH2.6-CPU
600E@810はなんとも凄いスコアです。 このベンチは、コアの特性xクロック数に比例した結果を示す傾向があります。 600E@504のダウンクロックの結果も載せていますが、Intel系は横一線なので、コアの変更は無いようです。 また、同一クロックではAthlonがアタマ一つ抜け出ていることから、Athlon810があれば、Coppermineより 速いであろうことは想像できます。
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整数演算 |
浮動小数点 |
Coppermine 600E@810 |
52168 |
65739 |
Athlon 650 |
41967 |
57092 |
Athlon 600 |
38710 |
52745 |
Coppermine 600E |
38662 |
48722 |
PentiumIII 450@600 |
38712 |
48779 |
Athlon 500 |
32302 |
44412 |
Coppermine 600E@504 |
32458 |
40901 |
PentiumIII 450@504 |
32379 |
40802 |
Celeron 300A@504 |
32463 |
40917 |
CPUMark99
このベンチは、キャッシュと、メインメモリのスピードが大きく影響する傾向があります。 ここは同クロックのIntelに20パーセントのアドバンテージを持っていたAthlonにどこまで迫れるかが見所です。
なんと、Cuppermineは同クロックのAthlonと肩を並べました。 高性能なL2が、Athlonの128KBものL1の優位性を薄れさせてしまったようです。
Coppermine 600E@810 |
76.6 |
Athlon 650 |
58.9 |
Athlon 600 |
56.1 |
Coppermine 600E |
56.7 |
PentiumIII 450@600 |
47.6 |
Athlon 500 |
47.5 |
Coppermine 600E@504 |
47.1 |
PentiumIII 450@504 |
39.2 |
Celeron 300A@504 |
41.5 |
FPUWinMark
このベンチは、従来のCPUでは、HDBENCHのFPUと同じ傾向にあり、キャッシュの影響が少ないようです。 CoppermineのL2の優位性は、ここでも現れるでしょうか。
な、なんと、またまたCoppermineは同クロックのAthlonと肩を並べています。 優れたL2の、恩恵を感じさせられます。
Coppermine 600E@810 |
4370 |
Athlon 650 |
3540 |
Athlon 600 |
3260 |
Coppermine 600E |
3240 |
PentiumIII 450@600 |
3080 |
Athlon 500 |
2720 |
Coppermine 600E@504 |
2720 |
PentiumIII 450@504 |
2570 |
Celeron 300A@504 |
2690 |
SuperPI(104万桁)
ほぼ、クロック比の結果が出ました。
Coppermine 600E@810
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Coppermine 600E
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CORTEST/99
わたしのメモリ(ヒュンダイTC-10P)は、810MHz時もCL2で動作するので、これもクロック比の結果となっています。
Coppermine 600E@810
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Coppermine 600E
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《結論》
チップセットの本命i820やRIMMが無い時点で、結論を出すわけにもいきませんが、一時、Athlonに差をつけられた IntelCPUがCoppermineで再び同じ土俵に戻って来たという印象です。 Athlonは今のところ発熱・大電流という課題を持っており、電源周りや冷却を考えると、使いやすさでCoppermineが 上回っていると言えます。(Athlonはまだまだ能力を出し切っていないと思われますが)
よくわからない点もあります。 わたしの環境では、DirectXがまともに走るのが700MHzまでなのです。 FSBクロック、AGPクロック、SSEロジック、ビデオカード、Bios・・問題は色々考えられますが、 今のところよくわかりません。ここは状況が変わるまで、「よくわからない」ことにします(^^;
99.11.19ぐうさんの情報により、AGPアパーチャサイズを小さくすると、3Dが安定しました。 600E@800、BF6、GeForceの結果です。 64MB:3D壊滅状態 32MB:3D時々フリーズ 16MB〜4MB:3DMark99MAX完走
ただし、3D関係のパフォーマンスは低下します。 (ご参考)GeForce・ AGP性能検証
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現状でもCoppermineは、すばらしいパフォーマンスを示しています。 しかし、今後ハード/ソフトともさらにCoppermine/Athlonの能力を引き出して行くことが楽しみです。
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