L1/L2キャッシュパフォーマンス比較《00.7.20》《00.7.23》

L2外付け(旧Athlon、旧PentiumV)、オンダイL2(ThunderBird、Coppermine、旧Celeron)の
5タイプのCPUについて
CORTEST99を使用し、パフォーマンスの比較を行いました。


《エントリー》

赤字:オンダイL2、黒字:外付けL2

CPU

L1容量

L1方式

L2容量

L2方式

L2クロック

L2バンド

ThunderBird

64K+64K

2-way

256K

16-way

コア等速

64bit

Coppermine

16K+16K

4-way

256K

8-way

コア等速

256bit

旧Celeron

16K+16K

4-way

128K

4-way

コア等速

64bit

旧Athlon

64K+64K

2-way

512K

2-way

コア1/2

64bit

旧PentiumIII

16K+16K

4-way

512K

4-way

コア1/2

64bit


CPU毎に倍率が異なるので、メインメモリは同じ土俵で比較できません。あくまでL1,L2の比較です。
クロックは500MHzに統一しています。オーバークロックもあれば逆もあるので、
相対値を参考にしてください
また、倍率やMBの違いで
クロックに1パーセントほどのバラツキがありますので、それを考慮して見てください。

《データ》

ThunderBirdのデータはVideo Card JunkieのUTCさんが提供してくださいました(^^

ThunderBird750@500(100x5)
K7V-T(KX133・VC-SDRAM)

K7t_k7v-t.gif

Coppermine600E@504(84x6)
Abit BF6(440BX)(SDRAM)

P3ccor504.gif

旧Celeron300A@504(112x4.5)
Abit BF6(440BX)(SDRAM)

Ccor504.gif

旧Athlon500(100x5)
MS-6167(AMD750)(SDRAM)

K7cor500.gif

旧PentiumIII450@504(112x4.5)
Abit BF6(440BX)(SDRAM)

P3kcor504.gif


《L1比較》

L1はどのCPUも16KBの値で比較します。


L1
比較領域

L1
read

L1
write

L1
move

ThunderBird(K7V-T)

16K

940.6

1834.3

1426.1

Coppermine

16K

560.9

2645.1

2308.2

旧Celeron

16K

542.2

2753.3

2449.7

旧Athlon

16K

950.4

1893.6

1423.3

旧PentiumIII

16K

555.8

2614.7

2447.6


L1cortest.gif

Intelがwrite、moveで速く、トータルでAMDを引き離しています。
しかし、
AthlonのL1はIntelの4倍の容量があります。
アプリ実行時の効果を考える場合、
Intelが高速なL1をL2でどうカバーするかにかかります。

また、Intel CPU(P6アーキテクチャー)同士、AMD CPU(K7アーキテクチャー)同士では速度差は無いようです。

《L2比較》
旧AthlonのL1は128KBと大きいため、L2のサンプル数値は256KBの値とします。
ThunderBirdは256KBはL2の境界にあたりますが、
128KBと同等で安定しているK7V-Tの値を採用


L2
比較領域

L2
read

L2
write

L2
move

ThunderBird(K7V-T)

256K

839.9

1230.0

639.5

Coppermine

64K

524.9

2043.0

1474.1

旧Celeron

64K

514.5

946.6

805.7

旧Athlon

256K

870.0

607.3

591.7

旧PentiumIII

64K

449.7

403.4

403.3


L2cortest.gif

L2の速度を見ると、Coppermineがダントツのパフォーマンスを示しています。
そして、トータル4000MB/sの速度はAthlonのL1に匹敵します。

小容量で速いL1をAthlonのL1並の速度を持つ256KBのL2が支えていると言えます。

ThunderBird旧Athlonに比べreadとmoveが同等、writeのみ2倍速という結果です。
L1の結果と似て、
AMDがreadで速いのが興味深いところです。

旧AthlonのL2も優秀で、同じコア1/2で動作するKatmaiを大きく引き離しています。
旧AthlonのL2はインターリービングなのでしょうか。


《おまけ・メインメモリ比較》00.9.3・引越ししました》
Athlonメモリ比較(K7Proリベンジ編)

《総評》
ThunderBirdでは、L2をオンダイしたことで高クロック化に伴うパフォーマンス低下から逃れられました。
しかし、その
L2自体のパフォーマンスは、旧Celeronに近くCoppermineには及びません
これは、更なる高クロック化のためのマージンなのでしょうか。


現時点ではオンダイL2の速度面でCoppermineがもっとも優秀と言ってよいと思います。
(ThunderBirdの排他キャッシュは384KBをカバーするので、パフォーマンスが逆転するケースもあり得ますが)



kiti30g.gifhttp://kiti.main.jp/