モセル総集編　by narikenさん

モセル○○枚のnarikenです・・・、こんな挨拶がこのメモリーのお陰で定着してしまいました。
今回のこの”モセル騒動”は改めてインターネットの情報流通の恐ろしさとパワーを垣間見せられた感じです。

今回は、このモセル・バイテリックなるメモリーを二〇枚も購入した不幸な男の話しをまとめてみました。
この騒動の始まりを知らない方でもこれをご覧になればすべての経緯が分かるという寸法です。

本レポートには実名がかなり多く登場しますが、その引用は全てその個人の責任が無いことを明言させて頂きます。
質問、抗議はわたくし宛のメールにてお願いします。


テストロット

９９４４ＰＦ
９９４９ＰＲ
９９４９ＰＲ
９９５０ＰＲ
０００３ＰＲ

今回のデータは全てＥＰｏＸ　ＢＸ６−ＳＥ＋河童５５０Ｅで取ったものです。
また、メモリー設定は２−２−２ＦＡＳＴに限らせてもらいます。

データの意味の内訳は、

”Ｗｉｎ起動”：ＯＳの起動限界です。Ｗｉｎ９８のみの検証です。
”π１０４万”：スーパーπ１０４万桁がエラーにならず完走できた限界です。
”常用”：日常の使用に支障を来さない限界です。
”電圧”：最も良い結果を出したＩ／O電圧です。


・全ての始まり・・・開戦！
まだ正月気分の抜けない１／８頃のことです。
いいだっちさんＨＰ上のＢＢＳでモセル・バイテリックの耐性が高いらしい、との報告がありました。
報告者はtanukiさん。
何でも”１５０でWin起動する”、”１４０で二枚差しが出来る”と言うようなメモリーで、
マイクロン−７５のハズレチップで喘いでいたわたしには俄かには信じがたい情報でした。
実際、ネット上でこんな噂をいちいち間に受けていたら身が持ちません。
しかし、この時は違いました。tanukiさんの投稿するデータは緻密で、続報される情報にも検証の確かさが見えました。
「秋葉だとＤＯＳパラに腐るほど売っている」そんな情報を目にしてわたしは秋葉に向かったのです。


・９９４４ＰＦ
確かにＤＯＳパラに腐るほど売っていました。
最初「ＰＣ１００ＣＬ２のメモリーをください」と言ったら「６４Ｍｂｉｔチップと１２８Ｍｂｉｔチップのどっち？」と訊き返され、
結局実物を見せてもらい、６４Ｍｂｉｔチップの方を買いました。
この時の店員さんの怪訝な表情は今でも忘れられません。
そりゃそうでしょう。一般にメモリー基板に乗っているチップの数が少ない程耐性が高いのです。
ましてや”モセル・バイテリック”・・・まだこの時はモセルは腐れメモリーのトップランナーでした。
結局この９９４４ＰＦロットは六枚購入し、以下のような結果になりました。

ロット

Ｗｉｎ起動

π１０４万

常用　　

電圧

９９４４ＰＦ（Ｎｏ．１）

１５０

１４６

１４４

３．６５

９９４４ＰＦ（Ｎｏ．２）

１５０

１４６

１４４

３．６５

９９４４ＰＦ（Ｎｏ．３）

１５０

１４６

１４４

３．６５

９９４４ＰＦ（Ｎｏ．４）

１４８

１４６

１４４

３．６５

９９４４ＰＦ（Ｎｏ．５）

１４８

１４６

１４４

３．６５

９９４４ＰＦ（Ｎｏ．６）

１４４

１４２

１４４

３．６５

勿論、一度に六枚も買ったわけではありません。
しかし、買った時は漏れなく気絶していた（笑）ので記憶が無いのも事実です。
ここで面白いのは常用の限界が全て１４４だということです。
どうもＢＸ６−ＳＥには”１４４の壁”があるようなのです。
Ｎｏ．１〜Ｎｏ．３に関してはＰ３Ｂ−Ｆでは１５０で常用可能であったことを付記しておきます。


・９９４９ＰＲ
わたしは４４ＰＦの結果に大満足でした。
その頃、わたしの手持ちで一番耐性の高いメモリーは日立Ｆ−ＭＡＳＫチップで、モセルの性能はそれよりも上だったからです。
しかし、段々、全国的にモセルが流行るにつれ、”１５５常用”だの”１６０Ｗｉｎ起動”だのの情報がネット上に溢れてきました。
それに、前のメモリーレポートにまとめた通り、Ｐ３Ｂ−Ｆ以外ではうちのモセルは１５０で常用できなかったのです。
人間の欲というのは恐ろしいものです。わたしの脚は違うロット探しに秋葉に向かっていました。
しかし、その頃秋葉はモセルブームの最盛期でどのショップでも売りきれ状態。
わたしはそんな中でやっとのことで、９９４９ＰＲを見つけ、三枚購入したのです。

ロット

Ｗｉｎ起動

π１０４万

常用　　

電圧

９９４９ＰＲ（Ｎｏ．１）

１４６

１４４

１４３

３．７５

９９４９ＰＲ（Ｎｏ．２）

１４４

１４３

１４２

３．７５

９９４９ＰＲ（Ｎｏ．３）

１４４

１４２

１４０

３．７５

わたしはこの結果に眩暈がしました。何と４４ＰＦより遥かに値が低いではありませんか！！
もう、わたしはこの結果に打ちひしがれ、メモリー戦線から撤退することを誓って、ネットの海から去りました・・・


・９９５０ＰＲ
・・・いいえ！　去れるわけがありません！
わたしはこの頃からメモリーをリサイクルする手段をとるようになります。
勿論、定価より安く買いとってもらうわけですから、損失はあります。
しかし、何枚もメモリー持っていても意味が無いので、まめにリサイクルすることにしました。
この頃、すっかりネット上では”ＰＲ”ロットが耐性が高いということになっていました。
わたしが次に購入したのは９９５０ＰＲです。

ロット

Ｗｉｎ起動

π１０４万

常用　　

電圧

９９５０ＰＲ（Ｎｏ．１）

１５１

１５０

１４９

３．５０

９９５０ＰＲ（Ｎｏ．２）

１５１

１５０

１４９

３．５０

９９５０ＰＲ（Ｎｏ．３）

１３８

１３０

１２８

３．５０

９９５０ＰＲ（Ｎｏ．４）

１５０

１４９

１４８

３．５０

９９５０ＰＲ（Ｎｏ．５）

１５０

１４８

１４７

３．５０

９９５０ＰＲ（Ｎｏ．６）

１３８

１３０

１２８

３．５０

９９５０ＰＲ（Ｎｏ．７）

１３６

１２８

１２４

３．５０

一部に０００２ＰＲロットとの混合がありますが、余り関係ないようなので気にしないことにします。
それにしても唖然としたのは個体差の激しさです。
５０ＰＲのハズレチップのダメ具合は凄まじく、一見、以前のモセルに戻ってしまったのではないか、と思われるほどお粗末な結果でした。
一方、このロットにてはじめて１４４常用の壁を突破しました。
因みに、このロットの購入から神和電気さんのものを購入しており、基板の質がそれ以前のものより向上していることを付記しておきます。
とにかく、殆ど１５０の世界に到達したことで、満足しました・・・
そう、満足した筈だったのですが・・・


・０００３ＰＲ
ネット上にアパサーブランドのインフィニオンチップの耐性が高いとの噂が流れました。
一部では”モセルより凄い”とのことだったので、即秋葉に向かいました。
しかし、どこのショップでも売りきれ・・・
仕方無く、神和電気さんにてモセルを買ったのです。

ロット

Ｗｉｎ起動

π１０４万

常用　　

電圧

０００３ＰＲ（Ｎｏ．１）

１５５＋

NA

１４９

３．４０

０００３ＰＲ（Ｎｏ．２）

１５３

１５２

１４９

３．４０

０００３ＰＲ（Ｎｏ．３）

１５５＋

NA

１４９

３．４０

０００３ＰＲ（Ｎｏ．４）

１５４

１５３

１４９

３．４０

すごいです！！　この結果に感動してしまい、もうインフィニオンなんてどうでも良くなっていました。
特に、Ｎ０．１とＮｏ．３はＣＰＵ限界で計測不能なだけで、もう少しスコアが伸びる可能性があります。
常用はいつも通り、１４９で頭打ちになっていますがこれは多分マザーの傾向でしょう。
このロットは一部にハズレの報告もありますが、これまでのロットとは異なりかなりの歩留まりの良さを感じました。
何しろ籤運の悪いわたしがここまで当てているのですから今までの品物とは比べ物にならないと思います。


・本当に終り？・・・終戦
上記のメモリーを約一ヶ月の間に買いました。
動いた金額は実に３０万以上です。
我ながらアホウなことだと飽きれるばかりです。

しかし、０００３ＰＲで気分的には、やっと終戦気分です。
もし今後メモリーに食指が動くとしても軽く１６０を越えるもので無いと同じようには熱が入りそうにありません。
インフィニオンもかなりの性能のようですが供給量が余りに少な過ぎますし、３〜４Ｍｈｚの違いなので、
もうリスクを払う気にはなれません。
最近発売となったマイクロン−７Ｅも期待ほどの性能ではなく、今、暫くメモリー戦線はモセルの優位が続きそうです。


・まとめ
このモセルチップの特徴をまとめると以下のような感じになります。

・低電圧傾向である（特に最近顕著）
・二枚差し位はものともしない（低電圧型だからでしょう）
・個体差が激し過ぎる
・供給が潤沢である
・値段が安い

特に電圧は、段々下がって行ってます。しかしこれ同じ型番のチップなのでしょうか？
今までのメモリーには無い酷いバラツキです。
この辺はやはりメーカーの生産ラインのしょぼさを感じざるを得ません。
特に５０ＰＲのハズレ傾向等を見ると今後のロットが心配ではあります。

しかし、本当に苦しかった！　そして楽しかったです。
特にモセルは個体差が大きいのでくじ引き気分が味わえるのが、苦しくも有り、楽しくも有りました。


最後に、以下の方々に感謝します。

第一発見者のtanukiさんに！！　あなたは人柱の鑑です！！
いいだっちさんとそのＢＢＳで活躍する方々に！
Ｙａｈｏｏオークションでわたしの品物を買いとってくれた方々に！！

そして、全てのオーバークロッカーに！！


・関連記事

・最近購入したメモリーとマザーのＯＣ検証　ｂｙ　narikenさん
５種類のメモリと４種類のマザーによるＯＣ限界テスト
・モセル・ＶＣＴ８ＰＣ　VS　ヒュンダイ・TC-１０P
モセル・限界テストで驚異の性能！
・600E@800成功のチェックポイント　ｂｙ　narikenさん
（narikenさんの人柱メールレポート第二弾）
・600E@800奮闘記　ｂｙ　narikenさん
（800MHｚを安定されたnarikenさんの体験記）

narikenさん、すばらしいレポートをありがとうございます（＾＾


kiti30g.gifhttp://kiti.main.jp/