Athlon ClockUp

Athlon 500のClockUpレポートです。

もし、Athlon 500が700MHzで動いたら・・
コアの製造プロセスは600と同じですから、そんなことがあってもよさそうですよね!


《あくまでわたしの環境での結果ですので、結果を保証するものではありません》

《目次》
・環境
・ClockUpの方法
・石割
・抵抗位置変更
・結果
・主要ベンチ
  HDBENCH-CPU
  CPUMark99
  FPUWinMark
  CPU3DMark(3DMarkMax)
  SuperPI(104万桁)
  CORTEST


《関連記事》
・Athlonの謎
(コア倍率/電圧設定/L2倍率)
・4TYPE-CPU With VooDoo3
Athlon500/Celeron300A@504/PIII450@504/600)
・4TYPE-CPU With VooDoo3 (ゲーム編)
Athlon500/Celeron300A@504/PIII450@504/600)
・Athlon緊急レビュー(とり急ぎでちょい重^^;


《環境》

CPU

Athlon500

マザー

MSI MS-6167

メモリ

ヒュンダイ TC-10P CL2 6n

Video

Creative GeForce


《ClockUpの方法》
今回は、CPUボード上のチップ抵抗の位置を変えて、倍率を変更する方法を採りました。

《石割》
AthlonはP2とそっくりなケースに入っています(ヒートシンクもP2用です)
このケースを開けるには、プラスチックケースに嵌め込まれている4本のピンを抜く必要があります。
3本は簡単に抜けますが、
向かって左下のピンはきつく、壊したくない場合は根気が必要です。

   @ケースをスロットに固定するための、上部2箇所の爪の部分の隙間にマイナスドライバーを
    突っ込み、テコの要領で力を加えてはずす。


   A端子の向かって右端の、厚手のプラスチックとサーマルプレートの間にマイナスドライバーを
    こじ入れ、テコの要領で力を加えてはずす。
     
   B3本の外れた部分のケースを持ち上げ気味にして、残りの一本をひたすらコネくり回す。
    (約1時間くらいで外れます^^;


《抵抗位置変更》
チップ抵抗は・・・ち、ちいさい!!
ノミくらいの大きさでしょうか。コレを半田ゴテで付け替えるのは至難の技です。


そこで、私がやって簡単に出来た方法を紹介します。
半田ゴテは使いません。代わりにピンセットを使いました。
ピンセットの手で触る部分に、焼けどをしないくらいにテイッシュペーパを巻きます。

コレを、ガスコンロで熱し、赤くなったところで抵抗の両端をつまんでサッと位置を変えるのです。
両端の半田が同時に解けて簡単に外れます。余熱で移動先の半田が解け固定されます。
ピンセットは、
小さくて肉厚のものを使います(400円位です)
なお、
移動先にペーストを塗っておくと、一回で確実に固定されます。

火傷には十分注意してくださいね!


   @コア倍率(FID)の変更
     下表(一部のみ掲載)の通り、スロット側FID(R155〜R158)とGoldenFingers側のコアFID
     (
R3〜R6、R121〜R124)を同時に変更します。

青字:Athlon500のデフォルト赤字:今回試した設定


チップ抵抗1Kオーム

FID0

FID1

FID2

FID3

2.5倍
500MHz

R155:O
R122:O
R5 :X

R156:X
R123:X
R4  :O

R157:O
R6  :O
R121:X

R158:O
R124:O
R3 :X

2.75倍
550MHz

R155:O
R122 :O
R5  :X

R156:X
R123 :X
R4  :O

R157:O
R6  :O
R121:X

R158:X
R124:X
R3  :O

3.0倍
600MHz

R155:O
R122 :O
R 5 :X

R156:X
R123 :X
R4  :O

R157:X
R6  :X
R121:O

R158:O
R124:O
R3  :X

3.25倍
650MHz

R155:O
R122 :O
R5  :X

R156:X
R123 :X
R4  :O

R157:X
R6  :X
R121:O

R158:X
R124:X
R3  :O

3.5倍
700MHz

R155:X
R122 :X
R5  :O

R156:O
R123 :O
R4  :X

R157:O
R6  :O
R121:X

R158:O
R124:O
R3  :X

3.75倍
750MHz

R155:X
R122 :X
R5  :O

R156:O
R123 :O
R4  :X

R157:O
R6  :O
R121:X

R158:X
R124:X
R3  :O

4.0倍
800MHz

R155:X
R122 :X
R5  :O

R156:O
R123 :O
R4  :X

R157:X
R6  :X
R121:O

R158:O
R124:O
R3  :X


   AL2倍率の変更(一部のみ掲載?)

チップ抵抗1Kオーム

1/2スピード

R103:X
R104:O

R106:O
R107:X

1/3スピード

R103:O
R104:X

R106:X
R107:O


この表の他、R101R102もL2に関係しそうです。
1/2スピードの設定では、
R101:OR102:Xとなっていますが、これを反転したら、
BIOSのOS起動直前のシステム情報を表示するところでフリーズしました。
おそらく、L2キャッシュを有効にするタイミングで、速度が追いつかなかった(1/2より速い)
ためと思いますが、未確認です。


   B電圧(VID)の変更(一部のみ掲載)

チップ抵抗100オーム

VID0

VID1

VID2

VID3

2.05V

R148:O

R150:O

R151:O

R153:O

2.00V

R148:X

R150:O

R151:O

R153:O

1.95V

R148:O

R150:X

R151:O

R153:O

1.90V

R148:X

R150:X

R151:O

R153:O

1.85V

R148:O

R150:O

R151:X

R153:O

1.80V

R148:X

R150:O

R151:X

R153:O

1.75V

R148:O

R150:X

R151:X

R153:O

1.70V

R148:X

R150:X

R151:X

R153:O

1.65V

R148:O

R150:O

R151:O

R153:X

1.60V

R148:X

R150:O

R151:O

R153:X


電源のチップ抵抗は他のものと異なり100オームですので要注意です。

《結果》

空冷650MHz達成!
しかし、こんなに昇圧して大丈夫でしょうか(^^;
太字設定で常用可能)

コア倍率

L2スピード

電圧

コメント

更新

3.0倍
600MHz

1/2

1.60V

SuperPI104万桁計算中にエラー発生

99.9.4

3.0倍
600MHz

1/2

1.65V

空冷で問題なし

99.9.4

3.25倍
650MHz

1/3

1.60V

HDDよりOSを起動する直前で
フリーズ

99.9.4

3.25倍
650MHz

1/2

1.65V

Winの旗でフリーズ

99.9.11

3.25倍
650MHz

1/2

1.70V

SuperPI104万桁計算中にエラー発生

99.9.11

3.25倍
650MHz

1/2

1.75V

FPUWinMark計測中にエラー発生

99.9.11

3.25倍
650MHz

1/2

1.80V

空冷で問題なし

99.9.11

3.5倍
700MHz

1/3

1.60V

起動せず

99.9.4

3.5倍
700MHz

1/2

1.80V

IDE認識後にフリーズ

99.9.18

3.5倍
700MHz

1/3

1.80V

Winの旗でフリーズ
セーフモードでWcpuid取得成功

99.9.18

3.5倍
700MHz

1/3

1.85V

Winの旗でフリーズ
セーフモードでWcpuid取得成功

99.9.18

3.5倍
700MHz

1/3

1.90V

警告音を発し、起動せず
MS-6167が未対応なのカモ

99.9.18


《600MHz 記》
わたしのAthlon500は、SEC4nのL2がネックかと思っていましたが、
コアの耐性は目論見(?)より低く、逆にL2はコアの限界の600MHzまで1/2スピード追従しました。
650も狙いたいですが、経験則ではOSも読めない状態から常用出来た試しは無いので、即断念。

しばらくはメインCPUとして600MHzで使うことにしました(^^)

《650MHz 記》
・・と先週言っていましたが、Bunnyさんの度重なるClockUpに刺激され、再挑戦。
なんと、L2が1/2スピードのままで650MHzを達成しました。

うちのL2は当りみたいです。(L2とサーマルプレートは離しています)

電圧上げるだけで、ここまで伸びるとは!
でも、発熱が凄く、ごく普通のヒートシンクにファンを強化しただけの空冷ではギリギリです。
風量が足りないと、熱暴走と思われる
リセット現象が起こります。
これ以上のクロックは、空冷ではムリみたいです。


A65-id.gif

《700MHz 記》
・・と先週言っていましたが(^^;アルファシンクを調達し、その神々しいまでの性能に空冷700MHzに
俄然挑戦してみたくなりました。
しかし・・いきなりL2がネックとなり3分の1スピードに設定、何とかセーフモードのWinにたどり着いた
ものの、コア電圧も1.85V以上にできず、ベンチも取れないまま、あえなく断念となりました。
L2が3分の1の700MHzなら、L2が2分の1で650MHzのがいいよね・・と自分に言い聞かせて(笑)


Wcpuidで、700MHzであること、L2が1/3であることを目で確認。
証拠画像は取ってませんケド(^^;


《主要ベンチ》

HDBENCH-CPU

整数演算がP6系と同じであることが印象的です。(K6はP6系より速かったのですが)
浮動小数点演算はAthlon強しです。


HD-CPU6.gif

データ

整数演算

浮動小数点


Athlon 650 3DNow!

41967

57092

99.9.11

Athlon 600 3DNow!

38710

52745

99.9.4

Athlon 500 3DNow!

32302

44412

99.9.4

PentiumIII 450600 SSE

38712

48779

99.9.4

PentiumIII 450504 SSE

32379

40802

99.9.4

Celeron 300A@504

32463

40917

99.9.4



CPUMark99

HDBENCHの整数演算では互角のAthlonとP6系ですが、ここではAthlonが同クロックのPen3に、
20パーセントものアドバンテージを示しています。
おそらく128KBの巨大なL1キャッシュの効果でしょう。


CPUMark99.gif

データ

Athlon 650 3DNow!

58.9

Athlon 600 3DNow!

56.1

Athlon 500 3DNow!

47.5

PentiumIII 450600 SSE

47.6

PentiumIII 450504 SSE

39.2

Celeron 300A@504

41.5



FPUWinMark

ここでは、HDBENCHの浮動小数点演算と同様、AthronがP6系に10パーセントのアドバンテージ 
を示しています。


FPUWinMark.gif

データ

Athlon 650 3DNow!

3540

Athlon 600 3DNow!

3260

Athlon 500 3DNow!

2720

PentiumIII 450600 SSE

3080

PentiumIII 450504 SSE

2570

Celeron 300A@504

2690



CPU3DMark(3DMarkMax)

Pen3はSSE、Athlonは3DNow!を使用。Athlon、10パーセントリード。

CPU3DMark.gif

データ

Athlon 650 3DNow!

11107.23

Athlon 600 3DNow!

10573.26

Athlon 500 3DNow!

 9346.91

PentiumIII 450600 SSE

 9512.64

PentiumIII 450504 SSE

 8009.99

Celeron 300A@504

 5084.78



SuperPI(104万桁)

ここではP6系が、Athlonより20パーセント高速です。
しかしナゼでしょうか??わたしはキャッシュのアルゴリズムがクサイと思うのですが・・


Athlonが650で急にスコアを伸ばしたのにはワケがあります。
それは、
FRの後に実行したからです。通常時では4分フラットでした。

データ

Athlon 650 3DNow!

3分33秒

Athlon 600 3DNow!

4分8秒

Athlon 500 3DNow!

4分24秒

PentiumIII 450600 SSE

3分23秒

PentiumIII 450504 SSE

3分54秒

Celeron 300A@504

3分36秒



CORTEST

倍率変更に伴い、L1とL2のスピードが影響を受けるため、256KB以下の数字はクロック比分の違い
を見せますが、当然メインメモリの速度は変わりません。


Athlon 650 3DNow!
A65-COR.gif

Athlon 600 3DNow!
A6-COR.gif

Athlon 500 3DNow!
A5-CORS.gif




とにかく市販機最高速を達成したので満足です(^^

ただ、このクロックであれば、FSBアップの方が効果的かも知れません。
5倍速設定なら、120(240)MHzで600MHz、133(266)MHzで666MHzです。


しかし、コアが700MHz以上で動く大当たりを引いているかも知れないですよね。
そんな予感がした時は、即石割!ですよね(^^;



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