Pentium4
Pen4-1.7G オーバークロック
《01.5.5》

CステップPentium4。
Bステップとの違いと、空冷で2GHzが拝めるという驚異のマージンを検証。


《外観の変化》

左がBステップES、右がCステップ1.7Gの画像です。
コアカバー(IHS)の形状が違っています。

conpp4.jpg

ES(左)のカバーは平面ですが、1.7G(右)ではカバーの中心から周辺に向かって、
ごく緩やかに薄くなり、四隅は特に薄くなっています。
(もしかしたら市販品は初めからそうなっていたのかも知れませんが^^;


ヒートシンクを外すと、グリスが中央ほど薄く周辺が厚く残ります。
コア部分の熱の伝達に特に配慮しているのでしょう。


・リテール1.4GHzも同様の形状
・量産に伴う金型のへたりではないか


等の情報/ご意見をいただきました(^^


《メモリ特性の変化》

左がBステップES、右がCステップ1.7GのCortestの結果です。
corp4.gif

どちらもFSB100(100x15と100x17)ですが、1.7G(右)の
キャッシュの効かない512k〜8Mのスコアが1割程アップしています。

これは興味深い現象です。
キャッシュ領域のスコアはコアクロックに比例してアップするものですが、
同じマザーの同じFSBでは、512k〜8Mのスコアは変化しないはずです。


CステップPentium4では、メモリアクセス性能が改善されたのかも知れません。

《コンフィグレーションレジスタの変化》

上がBステップES、下がCステップ1.7GのWpcreditの表示です。
confp4.gif

アドレスE8〜EBまでの値が変化していることがわかります。
このアドレスは何を設定するものでしょうか?


cnf850.gif

アドレスE8〜EB、はI850のデータシート上Reservedです。
Cステップ以後に追加されたものでしょうか?しかし、BステップESでも値は設定されています。
CPUの倍率等を識別する情報か、メモリバス性能アップに関与する何らかのスイッチか・・


《Wcpuidの変化》

BステップES
wcpup4b.gif

Cステップ1.7G
wcpup4c.gif

ステッピングIDが5から10に変化しています。
その他キャッシュ情報、チップセット情報に変化はありませんでした。


そして最大の変化(?)はオーバークロックマージン。
このCPUは空冷2GHzでWinが起動してしまったのです!!

《クロックマージンの変化》

ASUS P4T
RDRAM 256MB(ノンブランド128MBx2)


コアクロック

FSB/メモリ

コア電圧

クーリング

状態

1900MHz

112/448

1.75V(定格)

付属ファン

安定動作

1950MHz

115/460

1.825V

付属ファン+
DELTAファン

安定動作

2000MHz

118/354

1.85V

付属ファン+
DELTAファン

SupePI104M完走
重い処理不安定

2040MHz

120/360

-

-

起動せず


1.9GHzまでは、コア電圧/クーリングとも定格で動作しました。
1.6GHz以上の安定が難しかったBステップとは、明らかにマージンが違います。


この上は急激に苦しくなり、1.95MHz以上では6800rpmの超高速のDELTAファンが必要です。
猛烈な騒音を発するDELTAファンは、実験用以外使いたくないですね〜(^^;


しかし、ASUS P4Tは起動時デフォルト電圧であるにもかかわらず、2GHzで上がってきます。
この上もデフォルト電圧をアップすれば起動する可能性はありますが未確認です。
(デフォルト電圧アップの方法は
VID変更をご参照ください)

ウチではオーバークロックで動作しましたが、保障はできません。
特にコア電圧のアップはCPUを一瞬で壊す可能性があります。
実験する場合は自己責任でお願いしますね〜


《オマケ》

Pen4-1.7G@1.9&GeForce3-250/545マシン環境です。
inst.jpg

排気は電源ファンと、8Cm排気ファン(3000rpm)。
VGAと、RDRAMのクーリングに4Cm薄型ファン(3000rpm)。
CPUファンはリテール付属ファンに5Cmファン(3000rpm)を重ねたタンデム。
やわらかい銅の針金で固定しています。輪ゴム仕様はやめました(^^;


全て低速ファンを使っているため、騒音は見た目ほどではありませんが、
効果も気休め程度です(^^;



kiti30g.gifhttp://kiti.main.jp/