続・火星の写真の色は情報操作されている《04.01.31》
Raw Imageと7つの鍵
《サン・ダイヤル》
スペースアーティスト、ジョン・ロンバーグ氏デザインの「サン・ダイヤル」

火星のパノラマ画像ではカラーチャートの青が完全に赤に置き換えられていました。
火星の写真の色は情報操作されている
《7つの鍵》
NASAのサイトでhttp://marsrovers.jpl.nasa.gov/gallery/images.htmlで公開されている、
All Raw Images - Panoramic Camera を見ていると、カラーチャートに関しては同一シーンで
異なるフィルターを掛けたと思われる7枚のグレイスケール画像が存在しています。
RGBカラーを生成する目的であれば3枚の画像でよいはずですが・・
もしかすると、ここに真実の鍵がある!?
そこで、この7枚の画像をRGBに置き換え、スピリットで変色した「サン・ダイヤル」と、
本来の色の再現を試みました。
《スピリットのRaw Images》
上段が7枚のRaw Image、中段の赤枠がパノラマ画像の再現、下段の青枠が本来の色の再現です。
(クリックで拡大)

7枚の画像のうち、上記3枚をRGBとして使うことで本来の色とパノラマ画像の色を表現することができました。
(再現画像 左本来の色、右パノラマ画像の色)

(NASA公開のカラー画像)

青と緑のパターンは共用されており、赤のパターンを差し替えることで、
パノラマ画像と本来の画像を得ているようです。
カラーチャートを見ると、パノラマ画像の赤のパターンは青と緑に異なるバランスでブレンドされています。
これにより見かけ上、青成分は赤に、緑成分は茶色に変えられててしまい、
火星のカラー画像に青や緑は一切存在出来ないことになります。
(本来の赤のパターンとパノラマ画像の赤のパターン)

これでNASAが赤のパターンの全く異なる画像を使い分けていることが明確になりました。
本来の色が得られるモノクロパターンはこれです。

これらの画像は非常に特徴的です。
カラー |
パターン |
R |
左上と右下が黒 |
G |
左下と右下が黒 |
B |
右下以外が黒 |
Raw Imageから正しいカラーを表現するには、これらの特徴に該当する画像が存在しなければなりません。
そのような見方で画像を探すと、本来のRのパターンに相当する画像が少ないことがわかります。
《オポチュニティのRaw Images》
オプチュニティのイメージにも同じパターンを見つけました。
上段が7枚のRaw Image、中段の赤枠がパノラマ画像の再現、下段の青枠が本来の色の再現です。
(クリックで拡大)

驚いたことに、RGBとする画像のパターンも同じなのですです。(ファイル名の昇順です)
上記の画像には表示されていませんが、ファイル名を見ると後ろから3桁目の数字が一緒です。
カラー |
パノラマカラー 下3桁目 |
本来のカラー 下3桁目 |
R |
2 |
4 |
G |
5 |
5 |
B |
6 |
6 |
(Bのパターンは7でも代用できます)
これは、もしかすると大きな鍵になるのではないでしょうか。
(再現画像 左本来の色、右パノラマ画像の色)

(NASA公開のカラー画像)

もう一つ、カラーチャートと同一視野に火星表面がわずかに写った画像にRのパターンを見つけました。


しかし、Gのパターンは違っていますし、下3桁目の数字も違います。
Bと思われる画像にはパターンが写っていませんが、下3桁目はBのパターンです。
カラー |
下3桁目 |
R |
4 |
G? |
3(5ではない) |
B? |
7(6と同等) |
かなり怪しい状態ですが、これで強引に合成してみました(^^;
エアバッグの布の質感も良く、火星表面も「土」の色をしています。

サンダイヤルが変色しているのは、Bのパターンが欠落しているためです。
Gのパターンが違うので正しくないことは確かですが、
質感が自然な印象なので、本来の色に近いのではないでしょうか。
地表のカラー用のRGBとして公開されている画像はほとんどが三枚組です。
これはおそらくカラーバランスを合わせるために、赤と青の画像にパノラマ画像と同じフィルターを
掛けたものが公開されていると思います。
でも、もしその一部に本来の画像が紛れているとしたら・・・
カラーチャートの無いケースでは数字が鍵となるかも知れません。
<追記:Mars Rover Pancam Filter Specs>
http://www.ominous-valve.com/pancam.html
左カメラのL4+L5+L6の合成以外では正しい色が出ないことが一目瞭然です。
(NASAカラーはL2+L5+L6で合成)
<追記:NASAの色修正>
Raw Imageでアップされている画像の多くは三原色の赤に赤外線フィルターが使われています。
それにより、探査機のパーツは色が全く変わってしまいますが、多くの画像を合成した結果、
風景は若干赤が強いか、不自然に無機的な青が発生する傾向で、NASAが公開しているような、
茶色一色の写真にはなりませんでした。
NASAではさらに、青や緑を茶色に変色させるための処理を施しているようです。
《画像データ》
http://kiti.main.jp/