水は存在する


火星に液体の水が存在する証拠。

公表されている大気圧データでは水の沸点が氷点と等しくなるため、
水は氷から直接水蒸気となってしまい液体の状態で存在することができないとされている。

しかし、火星の地表に見られる壮大な侵食地形は大洪水の結果作られたものとしか説明のできないものだ。
過去に火星が温暖な時期があり大量の水が存在できたとするならば、水が失われた原因は蒸発か、
地下に貯えられたか、あるいはその両方ということになる。

その時、おそらく大量の水蒸気が大気中に供給されたであろうことは容易に想像出来る。
水の痕跡が確認された時点で、7ヘクトパスカルとされる火星の大気圧は疑問視されて然りだったのである。

マリナー9号による水蒸気をたっぷり含んだ火星の厚い雲。
simage301-1.jpg

火星を周回した最初の探査機であるマリナー9号の時代には、火星の厚い雲の写真が数多く存在するのが、
不思議なことに、バイキング以降は霧のような映像しか見ることが出来なくなった。
わずか10年間で火星の環境が激変したなどということは、天文学的な尺度からみれば有り得ないことだ。
火星の大気のデータを隠すためにNASAが意図的に厚い雲の公開を止めてしまったと疑いたくなる。

simage301-2.jpg

火星の山岳雲(左)と、地球の山岳雲(右)はそっくりである。



これらの写真を見れば、火星でも地球と同様に一部の水が液体から水蒸気、
そして液体という自然のサイクルを繰り返していることが想像できる。

バイキング着陸船の画像にはごく最近小規模な水の流れがあったことを示す証拠があった。
画像右端の四角で囲われた部分には、幅1センチメートル、長さ10センチメートルほどの小さな溝が存在する。

simage401-1.jpg simage401-2.jpg

拡大してみると、上方の岩の下に水が集まり、下方に流れたことにより土が削らたように見える。
そして、これほど小さい溝が砂にかき消されず残っているということは、ほんの最近に出来たものであると考えることができる。
おそらく水をたっぷり含んだ厚い雲による雨による侵食だろう。

探査機のカメラが届くごく狭い範囲にこのような現象が見られるということは、
言い換えれば、火星全土で液体の水が流れることが、一般的な現象であると言えるのだ。
中緯度地方や赤外線測定で地表温度が30℃にも上昇する赤道付近などは、
地下の凍土の溶解によっても水が供給されているだろう。

最近になってNASAは、ごく最近水の侵食があったとする地形を公表し始めている。
その一つがこのクレーターである。

simage402-1.jpg

崩れ落ちた周壁から濡れたような暗い岩肌が露出し、小川のような侵食痕が下方に延びている。
地表近くの地下水が流れ出たもののようだ。クレーターの底には沼地のような暗い領域が広がっている。

NASAは、ごく最近水が流れたということは認めているが、液体の水が現在の火星の地表に存在することは認めていない。
存在するとしたら、公表している大気のデータと矛盾してしまうからだ。
しかしバイキングは、このクレータの底が冬季に白く凍結している証拠を捉えていた。
クレーターの底の暗い領域に液体の水が存在していることを証明するものである。

simage402-2.jpg


さらにマーズ・エクスプレスがおびただしい網状渓谷を持つクレーターを捉えている。
渓谷の先は平坦で滑らかな壁面へと続き、ぼやけたクレータの底へと続いている。
網状渓谷からは現在も霧が立ち込めるほどの膨大な水が絶えず供給されているようだ。

simage403-2.jpg

火星には大量の水が失われた過程にできたと思われる等高線のような侵食地形が至る所に存在しており、
それらは例外無く水面を思わせる暗い反射を持っている。
マーズ・エクスプレスが捉えた巨大な渓谷は「火星に水を発見した」と報じられたものだ。

sexp01.jpg sexp01-1.jpg

simage404-2.jpg

底に暗い反射の領域が見られるが、三原色に分解して調べてみると、青の画像には暗い部分がほとんど無いことから、
大部分は青い光の反射であることが判る。
これは色の面からも水の存在を証明するものである。


マーズ・グローバル・サーベイヤは、火星の砂嵐が暗色地帯に流出して渦を巻く様子(上)を捉えた。
これは、地球の砂嵐が海面で見せる現象(下)に酷似している。

simage405.jpg

どちらの画像も高空の水蒸気の雲が同じパターンを見せていることも興味深い。
火星の暗色地帯には相当量の水分があることを示すものと考えられる。

NASAはエアバッグによる軟着陸を採用しているが、これは火星の海洋に着水することを想定したものかも知れない。

sexp04.jpg

次のような仮説は考えられないだろうか。

NASAは表向きには「コスト削減」を理由にしてマーズパスファインダーでエアバッグによる軟着陸の前例を作った。
そして、今回のミッションで水の存在が有力な暗色地帯への水際の着陸を試み、想定どおり着水してしまった。
スピリットのグセフ・カズマは比較的小さな水溜りが多く、
オポチュニティのメリディアニ・プレヌム台地はブルーの広大な水域であったのだ。
センサーにより着水を検知した探査機はエアバッグを膨らませたまま、
重心を移動させながら水上を転がり、陸地にたどり着いた。

探査機が回転した回数を比較すると、マーズパスファインダーの3回に対して、
今回の着陸では22回以上と異常に増えているのである。

エアバッグに引きずられた火星の土壌が粘土状に盛り上がっている。エアバッグが濡れていたためではないか。

sexp04-1.jpg

オポチュニティはブルーのリディアニ・プレヌム台地を転がり、小クレータ内で止まった。水で均したような、
はっきりとしたエアバッグ痕が残っている。

sexp04-2.jpg

・・かつて、ロシアのベネラ1号は金星上に想定される海洋に浮かぶための装置を装備していた・・



kiti30g.gifhttp://kiti.main.jp/