Tsiolkovskyの謎《02.05.06》
月の裏側には、特に暗い底面を持つツィオルコフスキークレータがあります。
地球からは見ることの出来ないこのクレータには、数々の説があります。
《湖の可能性》
(ルナオービター3号)
先ずロシアの探査機の映像を伝えた第一報は「植物地帯発見」でした。
特徴的な景観にもかかわらず情報量が少ないことから、その後も、湖説、UFO基地説、
空洞の月内部への入り口など、好奇心の対象になってきました。
クローズアップでは底面にもクレータが認められました。
湖とすればそれほど深くないと思われます・・
(もちろん月にある程度の大気圧が存在するのが前提の仮説ですが)
(ルナオービター3号)
一般的解釈は、底面がルナベース(黒い溶岩)で満たされたというものですが、
はたしてこのクレーターだけが極端に黒くなることなどありえるのでしょうか。
ルナオービターの画像は解像度数mまでの超拡大に耐えるそうですが、
なかなかツィオルコフスキーの底面の拡大画像は見る機会がありません。
(アポロ15号)
アポロ15号が撮影した低い太陽光のこの画像では、底面の起伏が明確で、
暗い底面が水による現象ではないことがはっきりしてきました。
《地下への入り口》
コントラストが高く、中央峰の急斜面は全てベタでつぶれています。
この部分は大きくえぐれているように見え、階段状の構造物が張り出しています。
ここが、月内部への入り口と言われている所です。
(アポロ15号)
リサーチして行くと、アポロ15号ではこのクレータをマークしているような印象です。
アポロ計画の中で最も画像が多いのです。
《アポロの写真の潜在情報》
これらの画像は鮮明に見えますが解像度は数百m/Pixelです。
アポロの画像は、周回軌道から普通の大型カメラで撮ったものなので、
「解像度は期待できない」と考えていました。
やはり超拡大の画像はルナオービターのモノを探さないとダメ・・と。
しかし、実はこの画像が数十倍もの拡大に耐えるものだったのです。
(アポロ15号)
この時点で解像度は450m/Pixelです。
一見かなりシャープに見えますが、白枠部分を拡大すると・・
(アポロ15号)
この時点で解像度は70m/Pixelにアップ。
底面の小クレータが無数に現れてきます。
また、中央峰左端の大地は集中的にクレータの爆撃を受けたような印象です。
そしてさらに白枠を拡大すると・・
(アポロ15号)
解像度は9m/Pixelにまで拡大されていますが、実にシャープなイメージです。
最小の岩は家ほどの大きさです。
残念なことに底面の拡大画像は入手できていません。
もしこの解像度で底面を見たら・・森林のような複雑な起伏が捉えられているかも知れませんね・・
アポロ15号の写真はすごい情報量を秘めていたのです。
《植物の可能性》
アポロ15号ではカラー写真も撮ってます。
カラーでは、白黒のハイコントラスト画像とは違った可能性が検証できるはずです。
一つは中央峰の急勾配、もう一つは底面の色です。
(アポロ15号)
中央峰の急斜面も「面」として映っています。
しかし、周囲より暗い影を伴っていて、ここが飛びぬけて急勾配であることを思わせます。
底面は「茶」です。
姿勢制御ロケットノズルが自然な金属光沢を見せていることに注目です。
(アポロ15号)
中央峰の爆撃地帯をはっきり捉えたアングルです。
急勾配はやはり暗くなっています。
そして底面は「緑」です。
この写真は最も斜めから捉えたもので、月面に立って中央峰を見たイメージに近そうです。
急勾配の影もほとんど無く、自然の山のように見えます。
底面は「青」・・
しかし、どうしても困ることに突き当たります。
これらのカラー画像は全て色が違うのです・・
白黒画像にカラーフィルターを組み合わせることはありますが、
カラー画像にカラーフィルターを組み合わせる意味は無いはずです。
一体なぜこんなにも色が違うのか・・
それは植物の可能性を隠すため!?
《そしてふりだしに・・》
日本の火星探査機「のぞみ」がツィオルコフスキーを捉えました。
(のぞみ)
アメリカ以外の国がこのクレータをはっきり捉えたのは初めてではないでしょうか。
よく見ると中央峰の中央部に黒い穴のようなものが見えます。
また、右下は不自然に直角にえぐれていて、山と言うよりは建物をイメージさせられます。
にわかに「アメリカの情報操作をこの画像で検証できないか」という考えが頭をよぎりました。
今までのツィオルコフスキーは全て同じように修正されていたと仮定すれば、
この画像との比較で違いが発見できるかも知れません。
そこで、アポロとのぞみの画像を同スケールで比較すると・・
中央峰の形(特に直角のえぐれ部分)は相当に違う印象です。
底面の暗黒部分についても多くの特徴が一致しているように見えますが、
細かいところでやはり違いが見られます。
・・植物の可能性・・
・・地下への入り口・・
ツィオルコフスキーの謎は、ふりだしに戻ってしまったのかも知れません。
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