火星II・植物の可能性《00.01.05画像9》

火星には、季節により色相が暗緑色から褐色に変化するといわれる暗い地帯があります。
一般的には、地表を覆う塵と言われていますが、一部では
植物地帯であるとも言われています。
マーズグローバルサーベーヤーの高解像度画像は、ここに何を見せてくれるでしょうか。



Syoku1.jpg

11m/ピクセル

右下の直径約2Km一帯は、何やら他とは違う様相を見せています。
左上の台地は、反射率が高く滑らかであるのに対し、
暗く、光沢が無く、複雑な起伏を伴っているように見えます。

ここは、もしかして植物地帯!?
しかし、いかんせん高解像画像と言えども、11m/ピクセルでは森林の木一本までを識別することはできません。
例えば、尖った20メートルの木は淡い四角と濃い四角の二つのピクセルにしかすぎないのです。
ここで言えることは、仮に植物地帯であるとしても、数百mの樹木ではありえないということでしょう。


火星の植物については、存在するとしてもそれが、樹木であるのか草であるのかコケやカビであるのか何もわからない状態です。
もしかしたら、液体状だったり、塵状だったりするのかも知れません。


ともかく、この写真には、明らかに様相の違う地帯が存在しています。















Syoku2.jpg

4m/ピクセル

4m/ピクセルの高解像度の写真です。
ここに写されているものは
一体なんでしょうか!?

台地の上に密集する黒い物体。
それらは台地の淵を取り囲むように更に密集し、砂漠では、逆にまばらに点在しています。


画像からは、かなり立体的なものが存在する印象を受けます。
それらは、色相の違いではなく、物体に見えます。


これは、本当に森林なのかも知れません(^^;














Syoku3a.jpg

55m/ピクセル

砂丘上の暗色地帯を捉えた画像です。
この時点では、解像度55mですから、ビル大のものでさえ識別することは出来ません。


ここにも植物の手がかりが見られるでしょうか。
この
画像の一部のクローズアップがあります。









Syoku3b.jpg

2.7m/ピクセル

この画像は、最高解像度2.7m/ピクセルです。
しかし、先の画像に見られたような、物体は何も識別できません。
よく見ると、
暗い物質が砂丘の峰を滑り落ちているように見えます。
ここの物質は、
粒子状のものと考えられそうです。

これらの暗い物質が砂丘にのみ存在していることから、この砂丘を作った風が運んできたものと考えられそうです。
しかし、どこから?何を?


少なくとも樹木ではありえないようです。
また、滑落してる様子から、大地に根を張っているようにも思えません。
これは、
植物であったとしても、塵状のものでしょう。





Syoku4d.jpg

ついに火星の都市を捉えた!?・・ものではありません(^^;
NASAが一連の高解像度画像の比較用として、同スケールの都市の画像を用意しました。


この手法は、最近になって頻繁に使われています。
火星に人工物を発見したという、一部のマニアへの牽制とは考え過ぎでしょうか。


考えて見ると、どうも人工物を識別する場合、連続性や相似性を見てしまいます
火星に文明があったとして、それは連続性や相似性を持つという保証はありません。
この写真には逆に、これらの観念にとらわれず写真を見る必要性を再考させられます。





Syoku4c.jpg

通常の明るい地帯です。
解像度は明示されていませんが、都市の写真から最高解像度に近いと思われます。


一見何の変哲もなさそうですが、よく見ると、かなり複雑な起伏が見られます。









Syoku4a.jpg

暗色の斑点が乗って来ます。
これらの斑点は、右下から左上に流されているように見えます。
この暗い物質も、
風の影響を受けやすいようです。

しかし、ところどころ郡をなしているのは不思議です。
そこが、窪地なのでしょうか。
それとも、
暗い物質が自ら集まっているのでしょうか・・






Syoku4b.jpg

一帯が暗色に覆われています。
一連の画像を通じて、地表の特徴には大きな変化は見られません。
この物質もやはり、
微細な粒子状のもののようです。












季節により色相が変化する暗い地帯。
それは一般的に言う地表を覆う塵と思われる特徴も確かにありました。
しかし同時に、
森林を思わせる画像も存在しています。

植物の可能性に対して言えることは、下記三点だと思います。

  ・樹木より巨大な植物はなさそう。
  ・樹木大の植物はあるかも知れない。
  ・根の無い(弱い)植物はあるかも知れない。


将来、暗色地帯の土壌が検査される日を待ち望んで・・


kiti30g.gifhttp://kiti.main.jp/