小惑星の秘密・もう一つの可能性《99.5.23画像5》

ガリレオ木星探査機による小惑星ガスプラの近接画像。


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長辺18Km、短辺11Km。
以前から考えられていた通り、小惑星は、いびつな形をしていました。
表面が意外と滑らかなのは、長い年月微小隕石の砂の吹き付けによるものでしょう。


さて、この小惑星にはどれほどの引力があるのでしょうか。
計算では、地球上の2000分の一程度・・つまり体重60Kgの人が30gになるようです。
もっとも、この程度の天体が引力を持つこと自体不思議な気がしますが。


以前から、木星軌道上のヘクトールと呼ばれる小惑星群の中に明るさを変えるものがある
事が知られていました。
明るさが変わる理由としては、表面の反射率が均等でないか、細長いかのどちらかですが、
観測の結果、明るさが複雑に変化することから、このヘクトールは150Kmの小惑星同士が
緩やかに衝突し、長辺が300Kmのピーナッツのような形になったと解釈されました。


もう一つの可能性・・連星系を考えるには、小惑星の引力はあまりにも微力だったのです。

しかし・・


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1989年、地上からのレーダー観測で発見された、非常に小さな小惑星がなんと、
連星だったのです。
わずか1Kmの物体が互いの引力で公転し合うというのは信じがたい話です。
1kmといえば、小型の山程度の大きさです。
そして、その物体の持つ引力といえば地球上の数十万分の一に過ぎないはずです。


数年後・・


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1992年、地球に接近した小惑星トータチスも連星系であることがわかりました。
この小惑星も2Kmと4Kmの比較的大きな山程度のものでした。


これらの発見から、細長いと思われていた小惑星の多くが連星であると考えられる
かも知れません。
山程度の物体同士の引力の絆・・信じがたい事実です。



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