海王星の秘密・トリトンの二つの顔《99.5.23画像4》


月ほどの大きさの衛星トリトンは謎に包まれていました。
太陽からの距離は地球の30倍で、太陽光は地球の1/30x30=900分の一
マイナス230度の世界です。


その公転軌道は海王星の自転と逆行なので、常に後ろから引っ張られており、
少しずつ軌道を縮め、将来は海王星に衝突する運命にあるといいます。
また、大きく傾いた超楕円の軌道を持ち、らせん状に運動しているようです。


一体、何がトリトンに起こったのでしょうか。


Zentai.JPG

ボイジャー2号による最初の写真で、左と右とで様相が違うことがわかりました。

さらに接近すると・・


Toritonup.JPG


この相の違いは、明確な地形の違いであることがわかります。
メロンの表面を思わせる異様な左側・・
所々、噴煙を思わせる黒い染みと、荒れた地形を見せる右側・・


過去の事件で、このどちらかの面が、ひどく破壊を受けたのは確かでしょう。


Tihyou.JPG

滑らかな側のアップ。
他の衛星と異なり、非常にクレータが少ないことが若い地形であることを示唆しています。


ボイジャーが接近するまで、トリトンは、メタンの氷と希薄なメタンの大気を持つといわれていましたが、
ボイジャーのデータから液体窒素の海が確認されてからは、窒素の大気を持つといわれています。


窒素は地球上に大量に存在するため、他の惑星に存在しても検出が困難だったのです。
海の存在が確かであれば、トリトンの窒素の大気は、相当に濃密とされるようです。



Mizuumi.JPG

この黒い部分が液体窒素の海だということです。
そして大気圧は火星を上回る可能性もあるようです。


二つの顔を持つトリトン。
その相の違いは、この衛星のただならぬ身の上を感じされます。
軌道を乱された過去の事件・・
超楕円軌道による、海王星からの強力な潮汐作用・・
これらは、まだ想像を超えた秘密を隠しているのかも知れません。



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