金星の秘密・見えない海《99.5.17画像10》

以前から、金星表面は厚い雲に覆われていることが知られていました。
その表面は、地球の2倍の太陽光を受け一年中熱帯多湿で、厚い雲から雨が降り続く・・



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そんなイメージを消し去ったのが、1961年から1981年までの、旧ソ連のベネラ計画でした。
探査機が送ってきたデータは、地球の海面下900mに相当する表面気圧と470度の気温。
探査機は、溶岩の中に着陸したわけではありません。



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1975年10月ベネラ9号


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1975年10月ベネラ10号


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1981年10月ベネラ13号


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1981年11月ベネラ14号


どの探査機の画像にも共通して言えることは、明るい地表です。
また、地平線までシャープな画像から、空気は非常に透明で安定していることがわかります。
しかしこれは、地球の常識で考えると非常に奇妙です。


900mの海底に光りは届きません。
曇りの日は暗くなります。
暑い日はかげろうで景色が歪みます。


ところが、金星の写真は明るく、シャープで、地球上の景色と何ら変わらないのです。
そして探査機は、写真を送信後数十分で、熱と高圧によって破壊されたと公表されています。


この大気のデータは間違いないのでしょうか。
もし金星に海が存在したら・・大気のデータは何かの間違いと言えるかも知れません。
しかし、金星の雲は光に対して不透明なので、表面のを見るには電波を使うしかありません。


レーダマップによる画像の数々は、多くの特徴ある地形を見せてくれました。

大規模な谷。


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クレータ状の地形と山脈。


V3.jpg V2.jpg

・・レーダマップによる画像はまだまだあります。
しかし、ここで非常に奇妙なことがあるのです。


これは、金星表面の約四分の一を示す広域のレーダマップです。
四角と十字のマークが付けられているのが、高解像度で公表されているエリアです。



Vinusmap.JPG

大変奇妙なことに、特定の地形に沿って探査が行われていて、広範囲に広がる平地は
全く撮影されていません(公表されていないだけかも)
そして、この平地は、高度の低いエリアなのです。


このマップを金星全土に拡大してみても、撮影されているのは、高地に限られます。
科学的な探査が目的であれば、どの地形も均等に撮影されてよいはずです。
もしかすると、平地は高解像度の電波で撮影できないワケがあるのかも知れません。
そこが広大な水域・・海であるとか・・


低解像度の電波によるこの画像からは、表面に海を確認することは出来ません。
同じ電波の目で見た地球の衛星写真でも海を確認することは出来ないのです。



Eath.JPG

左が北アメリカで右がアフリカです。

金星の大気に関する情報は本当なのか。
そして、海の存在は。
この疑問を解決するには、直接表面を見るしかないようです。
直接表面を見る方法・・それは、雲の下を飛ぶ有翼探査機・・
火星では2005年あたりに有翼探査機の計画があるようですが、
直接、表面を見ることの出来ない金星にこそ実現すべき計画でしょう。



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