Ryzen Threadripper

ハイエンド・デスクトップに現れた16コアCPU <2017/8/12>


 Ryzenのリリースで自作PC市場にインパクトを与えたAMDが、
Intelに先んじてハイエンド市場に送り出したZenコアによる16コアCPU、
Ryzen Threadripperは久々に自作欲を掻き立てられたインパクトあるCPUでした。

《CPUの選択》
CPUはハイエンド狙いのため迷うことなく16コアの1950Xです。

《マザーボードの選択》
CPUと同じタイミングでリリースされたマザーボードは以下の通り。

・ASRock X399 Taichi
・ASRock Fatal1ty X399 Professional Gaming
・MSI X399 GAMING PRO CARBON AC
・GIGABYTE X399 AORUS Gaming 7
・ASUS ROG ZENITH EXTREME

この中から次の優先度でASRock X399 Taichiを選択しました。

1・GPUをSLI構成とした際に残りのPCI-Eソケットが多いこと
2・安価であること(CPUが高価なので・・)
3・基本的な機能が充実していること


・・CPUとマザー、そして初回限定のスリッパが揃いました

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《ASRock X399 Taichi》
GPUをSLI構成としたときに、埋もれるスロットがありません。
表面実装部品の点数も少なく、コンデンサーも固体タイプのみで故障率も低そうです。

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・・裏面
8層基板のメリットなのか、非常にシンプルです。
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《Ryzen Threadripper 1950X》
スチロールの梱包を開けるとCPUのケースとトルクレンチ、水冷ヘッドのリテンションが現れます。

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CPUケースを開けると、さらにプラスチックのケース。

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ケースは針金のストッパーを外して上下の切れ目を摘まむと外れます。
この辺は解説が無いので知恵の輪みたいな感じ。

ようやくCPUが取り出せました。
オレンジ色の枠はそのままCPUソケットにセットするため外しません。

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解説の図をよく見ながらソケットにセッティング。
そしてトルクレンチで締上げて完了・・のはずでしたが、
1⇒2⇒3の順に締めろと書かれていますが、1を先に締めると2がかみ合いません。
2を仮止めしてから1⇒2⇒3の順に締め直したら出来ました。

泣きそうになりました(笑

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《メモリ》
CFD-Selectionシリーズ (Ballistix by Micron)
PC4-21300 (DDR4-2666MHz)オーバークロック、容量:16GB (4GB×4枚)です。

自動認識では、DDR4-2400 CL16-16-16-38でしたが、
電圧初期設定で、DDR4-2666 CL14-14-14-32まで詰めても動きました。

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《組み立て》
簡易水冷は5センチ厚12センチラジエータとダブルファン。
水冷ヘッドが丸いタイプならほとんど対応しているはずです。

電源はコルセアの1200W、GPUはGTX1080SLI。
ストレージは512GBSSD、OSはWindows10 Pro。

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《起動》
何度もPC組んでますがここは緊張します・・
一発で起動しました(ほっ・・

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《オーバークロック耐性》
Threadripperプロセッサー向けAMD Ryzen MasterでOC耐性を確認。

ThreadripperはRyzenから上位5%の選別コアを使用しているとされるだけあって、
1.120Vのデフォルト電圧のまま、ベースクロックを3.7GHzまで上げても安定動作しました。

さらに、1.4Vで3.8GHz、1.45Vで3.9GHz、1.5Vで4.0GHzまでオーバークロックが可能ですが、
5センチラジエータの簡易水冷ではサーマルスロットリングが頻発して性能が低下します。
消費電力も急激に上がるので3.7GHzで使用することにしました。

メモリモードはレイテンシの小さいローカルモード(NUMA)に設定。


《ベンチマーク》
ベンチマークは、メイン機の i7 4930K@4.2GHzとの比較になります。

CPU-Z(Ver1.8.1)のベンチマークでは・・
メインの4930K@4.2GHzのほぼ3倍になりました。

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CINEBENCHのマルチスレッドも3倍速。
シングルも4930K@4.2GHzを上回ります。
評判通り数値演算は得意ですね。

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3DMarkのTime Spyのスコアは2000差。
上:4930K@4.4GHz
下:1950X@3.7GHz

たかが2000、されど2000・・とても滑らかです。
これでゲームもThreadripper機をメインにすることに決めました。

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shadeはパソコン工房のblogで公開されているタワシのデータで比較。
http://www.pc-koubou.jp/blog/shade3d.php

4930K@4.2GHzが3分23秒
Threadripper@3.7GHzが1分24秒

shadeのレンダリングを高速化したかったので、期待通りの爆速です。

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《最後に》
遅々として進まない他コア化に、諦めモードになっていたところに突如現れたRyzen Threadripperは、
i7 4930Kからのステップアップに好適でした。
ASRock X399 Taichiの組み合わせも良好です。

ストレージの大容量化を図りメインPCとしてWindows7時代から蓄積したアプリやゲームを徐々に移行すること、
本格水冷に挑戦しようかと思わせるポテンシャルとマージン・・ここからが自作の楽しみです。

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