PGA Adventure 検証編《00.10.1》

FC-PGAのP3とCeleron。
PGA Adventureで探ったピンアサインの違いは果たしてCeleronのP3化を暗示するのでしょうか。


FC-PGA.gif

P3のピンアサイン図を使用しています。
青●は、P3とCeleronともに未使用のピンです。これは、違いを見る上で関係無しといえます。
黄●は、P3のみ未接続のピンです。
赤●は、Celeronのみ未接続のピンです。

《推論1》
 
黄●(P3のみ未接続)のピンの中に、L2を半分無効にする信号ピンがある。
 該当するピンは、VREF6、7、RESET2、BSEL0です。

VREFx

Bus reference voltage

コアに1.00Vの基準電圧を知らせるピンです。
何やらCeleron独自のシステムバス(?)に必要なようです。
P3では0、1 Celeronでは0、1、6、7が有効です。


もしかして、このピンを折ってしまえばP3に!?は、ないでしょうねー(^^;

RESET2

このX4番ピンは謎です。

CeleronではRESETとしてアサインされ使われていますが、
P3ではRESET2としてアサインされ、使われていないのです。
P3のRESETに当たるAHはCeleronでは未使用です。


この排他的な両者の違いが、P3とCeleronの違いを生むのでしょうか!?
もしそうであれば、手の打ちようはありません。

BSELx

これはFSB100MHzを表すものですね。関係ありません。                 


《推論1の検証》

CPUの足をまじまじ見て実験に踏み切れなかった私に、
河童初心者さんが名乗りをあげてくださいました。

壊しても良いNEO-S370が一個あります。
これのピンでしたら折って絶縁しても構わないのですが。


NEO-S370。この方法があるのですね!私は、思わず検証をお願いしました。
しかし、同時にkzmさんから、重大な指摘を受けたのです。

手持ちの533AでVREFをマスクしてみましたが何の変化もありません。
なんで〜、てことでピンをテスターで調べたところVREFは533AではすべてN/Aでした。
(抵抗無限大)なおかつGNDに落ちずにVREF0〜7は全て繋がっています。
(テスターの誤差を差し引いてそれぞれ0.3Ω前後)あえてショートしているとは書きません。
CPU無傷でマスク・ショートする方法を編み出したので私でよければ協力いたします。
その気になればすべてのピンをマスクできますので。(笑)


この違いは566と533Aの倍率の違いによるもの!?しかし、この考えは一瞬に消えてしまいました。
私の計測ミスだったのです。P3でもCeleronでもこのピンはkzmさんの指摘通り全てN/Aでした。
FC-PGAマスキング技を持つkzmさんから程なく報告を頂きました。

私のSL46Sはマレー14週です。きちさんのSL46Tと同じパターンの板だと思います。
<見た目だけは。この辺に倍率の謎が・・なんてちょっと期待してたんですが・・・。
#VREF0〜7全て同時にマスクしましたが変化なし。
#πも3DMark2000も普通に完走しました。


P3ではVREF0、1 Celeronでは0、1、6、7が有効・・
この時は、ベリファイして確認していたのに、同じ測定ミスをしていたのか・・
なぜ、この測定結果が出たのか未だに不思議です・・
キツネに摘まれたような心境のうち、河童初心者さんより報告を頂きました。

すでにkzmさんがされていましたが、こちらでも試してみました。
何も変化なく、起動しております<L2にも変化なし


河童初心者さん、みなさん、ごめんなさい!

VREFは基準信号であり、外部から供給されるもののはずです。
しかも、0〜7と8本もあるのが不思議です。ビットの定義を連想させるように・・


《推論2》
 
赤●(Celeronのみ未接続)のピンの中に、L2を全て有効にする信号ピンがある。
 該当するピンは、14本のVTTと、RSV、CLKREF、RESET、VID0、1です。

VTT

これは、コアに1.5Vを供給するピンです。
P3ではこれが14本も強化されているとなると
L2の電源強化の可能性が高そうです。
Celeronでは、全てRSV(リザーブ)ピンです。

RSV

リザーブピンです。
P3、Celeronともにリザーブピンでありながら、P3だけ生きているというのは謎です。

CLKREF

reference voltage
これは、コアに1.25Vの基準電圧を知らせるピンです。
何のために知らせるのか、なぜCeleronでは不要なのかは判りません・・

RESET

これは、推論1でも書いていますが、なぜかP3とCeleronで端子を違えています。

VIDx

これは、コア電圧の定義です。関係ありません。
ちなみに、P3はVID3のみHighで1.65V、Celeronは0、1、3がHighで1.5Vを表します。


《推論2の検証》

これについては、検証の手立てがありません・・


《Dual化》
PPGA版Celeronでは、AN15ピンがDual化に必要なBR1であることが解明されています。
しかし、FC-PGA版のCeleronでは、このピンは未接続です。
ピンが接続されていない以上、Dual化は不可能!?


しかし、もう一つの可能性はあります。FC-PGA版のP3ではX2ピンがBR1にアサインされています。
そして、Celeronではこのピンがリザーブとなっているにも係わらず生きているのです。
もしかしたら、このピンを使えばDual化できるのでは!?


SOLTEKのSL02ACでは、ジャンパーJP8を2-3ショートにすると、
X2ピンをスロットB75に接続することが出来ます。
わたしはDual環境を持ってないので検証できませんが、もしかするともしかするかも・・


br1.gif


《Dual化の検証》

この件についても、河童初心者さんが検証に協力してくださいました。

使用M/BはP6DBE(SUPERMICRO)とKP6-BS(EPOX)です。
どちらも、SECC2のP3-650でDual動作確認してあります。
実験はOSはNT4WSがすでにインストールしてあるHDDの起動と、
同NT4のクリーンインストールをしてみました。


《結果》

両方JP8を1-2の状態>
当然片方しか認識せずに無事に起動します。


片方JP8を2-3ショート>
片方しか認識しません。
おまけに、早い時はメモリのカウンタ中に、遅くてもNTの起動時の
青い画面で上に「Microsoft(R) WindowsNT(TM)Veersion4 Build1381)と出たトコロで、
フリーズしてしまいます。
時々、ハードウェアの認識中でも止まったり……。
クリーンインストールも同様でした。


両方2-3ショート>
片方2-3と同様。
メモリカウンタ中のフリーズが若干早目(苦笑


途中でフリーズするので、OSを98にしてみました。
当然、片方しか認識しませんが途中でフリーズするコトはありませんでした。


Dualについては、JP8を2-3ショートするとX2ピンとB75は導通しますが、
他の信号とは絶縁されています。これをAD36ピンの1.5Vでプルアップすると
もしかするかも知れませんが、ダメなうえ壊れる可能性も・・
河童初心者さんが、Dual最後の可能性についても、検証してくださいました。

SL-02A++のAD36とX2を56Ω抵抗を使ってみましたが……
残念ながらCPUは一つと認識されてしまいます。
使用M/BはP6DBEです。
後日、KP6-BSでも確認してみます。
(なお、この実験に使用したCPUは現在 別段変わりなく動作しております)


最後の可能性は一番期待していたのですが、Intelさん答えを見せてくれませんね。
でもCPUが無事でよかった〜


CeleronはCeleronであったという結果です。新たな可能性に期待しつつも・・

検証に協力してくださった、河童初心者さん、
FC-PGAマスキングのkzmさん(
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/3577/に感謝!


kiti30g.gifhttp://kiti.main.jp/