PGA Adventure《00.8.22》

FC-PGAのP3とCeleron。
ダイのサイズも同じ、唯一違い目は基盤上のラベルでしょう。


ダイサイズが同じということは、Celeronも256KBのL2を持ち、
それが半分無効にされていることを暗示します。
ならば、この
L2を生きかえらせる方法はあるのでしょうか

また、FC-PGAのCeleronはBR1ピンが殺されていてDualは不可能といわれます。
本当にBR1ピンは死んでしまったのでしょうか

そのヒントを求めて、基盤上の違い、ピンアサインの違いを探ってみます・・


ピン側
P3には12個、Celeronには2つのチップパーツが見られます。
ピンの間引きなどはありません。


P3
P3.pin.jpg

Celeron
CELpin.jpg



ダイ側
100dpiの画像です。一見ラベル以外に違いが無いような・・


P3
P3.jpg

Celeron
CEL.jpg


解像度を、200dpiに高めて新兵器X線スキャンしてみます。(ホントはコントラストを高めただけ^^;

すると、右上1/4の一角のパターンが明らかに異なっていることがわかります。
Celeronではここに、
大きなマスキングのような謎のパターンが見られます。
これがL2の容量殺しと関係があるのでしょうか!?


P3
P3-x.jpg

Celeron
CEL-x.jpg


さらに解像度を300dpiに高めて、この一角のパターンを追ってみます。

拡大してみると、P3ではダイからのパターンが終端に向かって自然にレイアウトされており、
Celeronでは、謎のマスキング地帯を迂回しながら終端に伸びているのが見られます。
そして、
ほとんどのパターンは終端が同じ位置青○)であることが判ります。

しかし、いくつか異なるものも存在します。
先ず中央の白○。Celeronの方が僅かに右寄りですが、これは同じ場所に落ちているのかもしれません。
明らかに異なるのは白○の下方、ダイの傍で終端を迎える
赤○です。
P3では2本、Celeronでは4本存在します。面白いことに
Celeronの方がダイからのパターンが2本多いのです。

これがボンディングでしょうか!?
はたして謎のマスキングや、異なるパターンが
L2の容量と関係しているのでしょうか!?
それを考えるには、この一角が係わるピンアサインを調べてみる必要があります。


P3
P3-X2.jpg

Celeron
CEL-X2.jpg


まず、P3とCeleronのピンアサインをテスターで探ってみました。
回路と接続されていないピン(グラウンドとの抵抗無限大)について色分けしてみます。

FC-PGA.gif

P3のピンアサイン図を使用しています。
青●は、P3とCeleronともに未使用のピンです。これは、違いを見る上で関係無しといえます。
黄●は、P3のみ未接続のピンです。
赤●は、Celeronのみ未接続のピンです。

《推論1》
 
黄●(P3のみ未接続)のピンの中に、L2を半分無効にする信号ピンがある。
 該当するピンは、VREF6、7、RESET2、BSEL0です。

VREFx

Bus reference voltage

コアに1.00Vの基準電圧を知らせるピンです。
何やら
Celeron独自のシステムバス(?)に必要なようです。
P3では0、1 Celeronでは0、1、6、7が有効です。


もしかして、このピンを折ってしまえばP3に!?は、ないでしょうねー(^^;

RESET2

このX4番ピンは謎です。

CeleronではRESETとしてアサインされ使われていますが、
P3ではRESET2としてアサインされ、使われていないのです。
P3のRESETに当たるAHはCeleronでは未使用です。


この排他的な両者の違いが、P3とCeleronの違いを生むのでしょうか!?
もしそうであれば、手の打ちようはありません。

BSELx

これはFSB100MHzを表すものですね。関係ありません。                 

《推論2》
 
赤●(Celeronのみ未接続)のピンの中に、L2を全て有効にする信号ピンがある。
 該当するピンは、14本のVTTと、RSV、CLKREF、RESET、VID0、1です。

VTT

これは、コアに1.5Vを供給するピンです。
P3ではこれが14本も強化されているとなると
、L2の電源強化の可能性が高そうです。
Celeronでは、全てRSV(リザーブ)ピンです。

RSV

リザーブピンです。
P3、Celeronともにリザーブピンでありながら、
P3だけ生きているというのは謎です。

CLKREF

reference voltage
これは、コアに1.25Vの基準電圧を知らせるピンです。
何のために知らせるのか、なぜCeleronでは不要なのかは判りません・・

RESET

これは、推論1でも書いていますが、なぜかP3とCeleronで端子を違えています。

VIDx

これは、コア電圧の定義です。関係ありません。
ちなみに、P3はVID3のみHighで1.65V、Celeronは0、1、3がHighで1.5Vを表します。


P3とCeleron、さてどちらの推論に答えがあるのでしょうか?
推論1は、信号を受けてL2を縮退する前提で、もしこれをやっているならCeleronをP3にすることが出来ます。
推論2は、256KBのL2に必要なピンがCeleronでは接続されていないため、P3化は諦めるしかありません。


例のX線スキャン(笑)に見られた謎のマスクは、この図では右がわのピンに掛かっています
(上が90度右に倒れます)しかし、右一帯にはVTTピン群があるだけです。
謎のマスクはVTTを絶縁するためのものだったのでしょうか?
パターンの違いから想像させられるような怪しいピンは見られません。


どうも、推論1はなさそうな気がしてきました(^^;
でもちょっとだけ気になるCeleronのVREF6、7。絶縁してみたい・・


さてさて、気を取り直して、もう一つの可能性Dual化を探ってみましょう。
PPGA版Celeronでは、
AN15ピンがDual化に必要なBR1であることが解明されています。
しかし、FC-PGA版のCeleronでは、このピンは未接続です。
ピンが接続されていない以上、Dual化は不可能!?


しかし、もう一つの可能性はあります。FC-PGA版のP3ではX2ピンがBR1にアサインされています。
そして、Celeronではこのピンがリザーブとなっているにも係わらず生きているのです。
もしかしたら、このピンを使えばDual化できるのでは!?


SOLTEKのSL02ACでは、ジャンパーJP8を2-3ショートにすると、
X2ピンをスロットB75に接続することが出来ます。
わたしはDual環境を持ってないので検証できませんが、
もしかするともしかするかも・・

br1.gif


もひとつおまけで・・
Celeronでの
PPGAとFC-PGAのピンアサインの違いを見てみます。
Celeronのみのサポートで終わったPPGAがFC-PGA版P3と互換性が無いのはうなずけます。
先の、推論2で上げたピンがPPGAには足りないのです。


しかし、Celeron同士では違いがあるのでしょうか?

がPPGA、がFC-PGAのピンアサインです。

Ppga1.gifFcpga1.gif

先ず、右上一角に3箇所の
違いがあります。



AJ31:BSEL1はFSB133の
識別用に新設されたピンです。
FSB66しかない現状、必要は
ありません。


Y33:VSS(グラウンド)が、
リザーブになっています。
これも無視できそうです。


S35:リザーブがRTT
(Termination Resistor)に
なっています。
FC-PGAではターミネータが
オンダイになったためアサイン
ものです。

これは代替が無いとダメっぽい?










Ppga2.gif
Fcpga2.gif

次に右下の一角に2箇所の違い
が見られます。



E21:VCOREDETは2Vコアに必要
なピンなので、FC-PGAでは
無くなりました。
ただ、FC-PGAでもピンが生きて
いるので、
影響ありそうです。

E27:リザーブがSLEWCTRLに
変っています。
どうも根幹に係わる新信号のよう
ですが、PPGA→FC-PGA下駄が
あるくらいなので無くてもよいの
かも知れません。
















PPGAにFC-PGA版Celeronを挿した場合、問題がありそうなのは2本のピンです。

E21:VCOREDET
S35:RTT(Termination Resistor)


PPGAマザーによってはFC-PGA版Celeronがそのまま動いてしまうかも知れません。
もしダメな時はE21を折ってみる(^^;(絶対保証できません〜!!^^;;



kiti30g.gifhttp://kiti.main.jp/