IDE Adventure《00.9.17》

IDE HDDを高速化する可能性を考察。
CPUやVGAのクロックアップのように、HDDも高速化できるのでしょうか!?
IDEインターフェース、バッファ転送速度、そして回転数!シークタイム!・・


《PC側・IDEインターフェースのOC》

PC側のIDEインターフェースをOCした場合、HDDは高速化するのでしょうか?

HDD側のインターフェースは、PC側とは非同期です。
例えばATA100(UDMA5)で接続されている場合、PC側をOCしてUDMA5.5(仮^^;としても、
HDDがUDMA5のモードであれば、データ転送速度はあくまでUDMA5に依存するため、
高速化はできません。


ただしATA33(UDMA3)などを使っている場合、最近のHDDのようにインターフェースより十分速い
HDDを使うと、
PC側のIDEインターフェースのOCでパフォーマンスが上がる場合があります。
これは、UDMA3がUDMA3.5になるというのではなく、インターフェースの規格には実際は何らかの
オーバーヘッドがあり、常に規格値でデータをやり取りできるわけではないので、
オーバーヘッドが減少することによって、パフォーマンスアップすると考えた方がよさそうです。


従って、PC側のIDEインターフェースのOCによる効果は、HDDがインターフェース以上の
パフォーマンスを持っている場合に、オーバーヘッドが軽減される可能性があるというものです。
半面、
HDD側のインターフェースと同期が取れなくなると「データ破壊」が発生します。
FSBアップでPCIが上がり過ぎると起こる現象と同じです。


《HDD側・IDEインターフェースのOC》

それでは、HDD側のIDEインターフェースをOCするとどうなるのでしょうか!?

仮に、ATA100インターフェースでHDD内のバッファ転送速度がATA100に満たない場合、
バッファ転送速度がアップすることになります。
ただし、あくまでHDD本来の性能はアクセス速度(回転数、記録密度、シークタイム)に依存するため、

バッファ転送速度アップは、バッファに収まる小ファイルでのみ恩恵があると言えると思います。


《禁断のHDDハードウエアコントローラのOC》

HDDには回転数やシークをコントロールするチップがあります。
これをOCするとどうなるのでしょうか・・

《IBM・DTTAの場合》

dttaq.jpg

Dtta.gif

左上の黄色いプラスティックでカバーされたエリアには、
メモリらしきチップと、IDEインターフェースと思われるASIC、
そして、
白く四角いクロックモジュールが2個見られます。

右側中央にはIBM製のPRMLリードチャネル。
dtta2.jpg

右下にはモータコントローラと思われる無印チップ。
dtta3.jpg


dtta1.jpg

黄色いプラスチックカバーのエリアです。

バッファメモリはOKI製、IDEインターフェースは三菱製です。
左下には40.0MHzのクロックオシレータがあります。
位置関係から推定して、これ
はIDEインターフェースとバッファ周りのクロックでしょう。

そして、右上の33.3MHz。
これは、モータコントローラ用のクロックかも知れません。仮に40.0MHzに替えると・・
クロック比1.2倍なので、
回転数は7200x1.2=8727に!?シークタイムも1.2倍に!?(^^;

DTTAについては、故障品と正常品を持っていて、パーツのを移植が可能なので、
そのうち33.3MHz → 40MHz化で性能の変化を試したいと思います。



《IBM・DTLAの場合》

dtlaq.jpg

Dtla.gif

左側に、黒いプラスティックでカバーされた
IDEインターフェースと思われるASICと、
メモリチップ、それに
クロックモジュールが
1個
見られます。

中央にはIBM製のPRMLリードチャネル。
これはDTTAのものより大くなっています。

dtla2.jpg

右下にはモータコントローラと思われる
無印チップ。これは逆に小さくなっています。

dtla3.jpg


dtla1.jpg

左上に33.3MHzのクロックオシレータが見られます。
DTTAでは2個あったオシレータが1個になっています。

ASIC上のアヤシイカバーの下に隠されているのかと思い、外してみましたが、
カバーの下にパーツは隠されていませんでした。
(しかし何のためのカバーでしょうか?電磁波シールド!?)


あるいは、基盤裏に隠されているのかも知れませんが、DTTAのように、
複数のオシレータを持つモデルの方が小数派かもしれません。


DTLAの場合、これをOCすれば、バッファ転送速度にも、アクセスタイムにも、
何らかの変化
がありそうです。

しかし、DTLAのオシレータはDTTAのものより小型で、パーツの流用による
実験はできません(というか、現用HDDなのでいじりたくないです^^;


《まとめ》

《IDEインターフェースOC》

PCのインターフェースがHDDの性能より低速

PC側IDEインターフェースと
HDD側IDEインターフェース両方をOCすれば、
OC比分性能向上!?(無保証です^^;
(高速なインターフェース買った方が全然良し^^;

PCのインターフェースがHDDの性能より高速

効果無し


《HDDハードウエアコントローラのOC》

不明(^^;
OC比分回転数やシークが速くなれば性能が向上するのは間違いないですが、
機械部品の寿命が縮まりそうですし、信頼性も低下しますねー
速いHDDが必要なら、速いHDDを買うのが正解でしょう。


HDDのOCはデータ喪失などのリスク大です。
この記事で万一いじりたくなった場合も、自己責任でお願いしますね!



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