512KB−L2パワー《2001.07.22》

Pentium3-Sの魅力512KB-L2。
そのパワーを、同クロックのCoppermineと比較しました。


《TestCPU》
TestCPUでは、たしかにL2が512KBであることが確認できます。
この差がどれほどパフォーマンスに影響するのでしょうか・・


テュアP3-S(512KB-L2)
t952m2.gif

ここでも、L2の速度はTualatinの方が上!?

カッパP3(256KB-L2)
c952m2.gif


《環境》
本来、同一FSB、同一クロックで比較したいところですが、手持ちに同じ倍率のP3が無い・・
ちょっと変則ですが、環境は下記のように設定しました。


−テュアP3-S-952−
コア952(8.5x112)CL2
マザー:Gigabyte GA−60XET
メモリ:128MB
ビデオ:GeForce3(240/545)

−カッパP3-952−
コア952(7x136)CL3
マザー:Gigabyte GA−60XET
メモリ:128MB
ビデオ:GeForce3(240/545)


FSBが有利となるCoppermineのメモリをCL3とすることで、
メモリクロック24MHzの性能差を緩衝しようというものです。


これによりFSB112CL2のwriteとmoveはFSB136CL3と同等になります。
(Cortestにて)


《ベンチマーク》
Pentium3-Sは定格よりクロックを落としているので本来の性能ではありません。
ここでは、絶対性能ではなく、相対性能を見ていきます。


−テスト結果−

−HDBENCH3.22−      高性能−>
chd320.gif
ほとんどコア性能そのものが出るテスト。
コア性能は同等と言えます。


−CPUMark99−        高性能−>
ccpu99.gif
L2を含むメモリ性能が大きく出るテスト。
Tualatinが9%高性能。


−FPUWinmark−       高性能−>
cfpu.gif
メモリ性能の影響が比較的少ないテスト。
Tualatinが4%高性能。


−Superπ104万桁−    <高性能
cpi.gif
L2を含むメモリ性能が大きく出るテスト。
Tualatinが10%高性能。


−3DMark2001−       高性能−>
c3dm.gif
ビデオカードと、L2を含むメモリ性能が大きく出るテスト。
Tualatinが7%高性能。


−Nyuruベンチ(Shadeによる3Dレンダリング)−
nyuru.jpg

                  <高性能
cnyuru.gif
L2を含むメモリ性能が特に大きく出るテスト。
Tualatinが25%高性能。


−TMPGEnc(Mpegエンコーダ)−
ctmp.gif
HDDと、L2を含むメモリ性能が大きく出るテスト。
Tualatinが8%高性能。



《総評》
ベンチマークによるTualatinとCoppermineの差は予想以上のものでした。
特にレイトレの25%もの性能差はL2の容量差だけでは説明出来ないでしょう。


やはり「Tualatinの謎」で見られたように、
メモリバスやL2の劇的な性能向上があったのかも知れません。
そして、Pentium3-SにもData Prefetch Logicがサポートされており、
重い処理で効果を発揮していると考えるとシックリくる結果です。



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