遮光土偶《2016.09.18》

シッチーさんの投稿です。


「遮光器式土偶」について考えてみました

初めにお断りしておきますが、この方面の専門家ではないし
当然学術的な裏付けなんてありゃしませんので
そのつもりでお読みください。


 しかし真実は案外・・・・・  ふっふっふ

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まずはコレ、よくご存じの青森県津軽氏亀ヶ岡(現)より出土したブツです。
 とりえずこの土偶を「津軽さん」ということにします。(以下同様)


 「遮光器」について考えてみますと、
a.実用的に必要とされた場合。
金属加工、特に鉄器を制作するに必要な「炉」の温度を
経験から測る「匠」が存在した。
しかし高温で高熱・極度に強い光を見続ける職であることから
「片目」の喪失が「職業病」であったことは、
国内に限らず西洋の神話などにも見られることであり、
それを軽減するために考案されたという「説」。
アラハバキ神信仰とも繋がるかもしれません。


b.しかしそうであれば、
鉄器の製造と普及は全国に広がったわけで、
遮光器に効果があれば途中ですたれることなく、
また違う表現の形でも残されているはずです。


c.祭司で使うために「異形さ」を演出する必要性から出たものである。

d.実用的という意味では「雪目」から防護する遮光器ということも
考えられますが、雪が降って目がやられるのは青森だけに限らないのに
普及しなかった。もしそういう目的のモノなら当時は「木製」あるいは
「素焼き」であったでしょうから、遺物として発掘されてもよさそうに思います。
金属製なら熱くなりすぎてその用途には不向きでしょうから。


いずれにしても、実際に「遮光器」であったというのは無理があると考えます。
参考までに北海道室蘭市より出土したやはり縄文後期の土偶ですが、
全体的なプロポーションに共通性があるので地域間の交流があったことや
当時の土偶の基準的な形であることも推測できます。
もし「雪目」対策の「遮光器」であれば、おそらく大雪の地域であろう
「遮光器」を必要としそうな場所の土偶にも装着していることでしょう。


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一例だけで結論を出すことは無謀ですが、
この優れたデザインを考えた芸術家が存在し、
「着ぐるみ」のご先祖様を考案したのではないのかと考えました。
もちろん「遮光器」も古代の日本版ピカソ氏のアイデアだと思っています。


では一体全体これは何なのか?
これを見たままに古代の「潜水夫」や降り立った宇宙人が
モデルだと決めてしまえばそれ以上の考察は無用です:笑
ここに記すのは私個人の着想ですから学術的な根拠はないですよ。
わっはっは


さて<津軽さん>に話を戻します。
頭の「マゲ」はガンダーラの菩薩像の頭に似ている、
あるいはギリシア彫刻にも見られるという説に反対はしませんが、
そうであればまず仏像のデザインに取り入れら固着して、
仏教伝来時に仏像の形で日本に伝わるのは1500〜2000年も後の
ことですからこの「飾り」のデザインは純国産でしょう。


私的に特に気になるのは、目の間にある小さな「角」ととても小さな手
そして一番はこの「着ぐるみ」の材質は何か?ということです。
もちろん「土偶」ではなくてオリジナルの方ですよ。


当時ですから、一部の装飾部分は金属かもしれませんが、
 メインは厚手の生地と木製品でしょう。
この地域は「栗」が主たる食料として栽培生産されていたそうですから、
頭頂部の「飾り」は「栗」材かもしれません。


 ただ、横向きをみると小さな胸と尻の薄さ、
小さい女性器がついているので少女であることが推測されますが、
「津軽さん」と下に挙げる「宮城県田尻さん」の
「乳首」の位置がとても奇妙です。


 子孫繁栄とかそのようなことを願うために女性を
強調するのであれば適正な位置に配置するでしょうに。
また当時の女性の平均身長はおそらく140cm位でしょうから、
成人女性であっても全体の重量がそれほど重ければ
長時間の装着は無理だと思うのです。


 ステレオタイプの考え方ですが、神に仕える「巫女」であれば
「処女」である可能性が高いと推察されます。
つまり大切なことは「巫女」を「穢れ」から守るということでしょうから、
「衣装」そのものはいわゆる「貫頭衣」だと思われますが、
外から「魔」が入り込まないように手は手首で足は
踝で絞ってあるのではないか?


 手自体の形は形が奇妙で、まるで初期のロボットのように見えます。
  たしか古い映画に登場するロボットの「ロビー」によく似ています。
 これがその時代の手の表現だったのでしょうか。
  あるいは焼成するのにこういう形でなければダメだったのでしょうか?
   とくに手を開いた表現にこだわった理由があるのでしょうね。


 絡み付くような緻密な「模様」は「空白部」を作らないことで
「魔除け」と為すということでしょうか。
原住民の習慣にもあったように記憶していますが、
「入れ墨」でした。 
この「神様」の素性はわかりませんが、
「遮光式」の仮面をつけていますので、
言われるように由来は「火の神様」あるいは「製鉄」などの
金属加工の「神様」という説があります。


 しかしヘソ曲がりな私の見解は少し違います。
「目の間の小さな角」ですが、いろいろと検索すると、さぁこれです。
  青森県八日町からの出土で縄文晩期とされますが、
ここには「?」な形の「鼻」がついております。


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パソコン用の「三つ口コンセント」のようですから
ここから充電したのだ と騒ぐ方もいそうですね :笑
   宇宙人ロボット説ですね。


 この土偶でキモは「鼻?」とまともな形の「口」、
そして頭の「ハチ」がもろに開いていること。
「津軽さん」とどちらが古い時代かと興味がわきますが、
私は「津軽さん」のほうが後の時代であろうと考えております。
  デザインが「マゲ」を含めて緻密ですから。


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(掲載している写真はどれも各地の「博物館」などが公開しているものです。)
 宮城県田尻町から出土した縄文晩期といわれる「遮光土偶」です。
 そこで頭部をアップしてみました。「鼻」の部分がよくわかります。



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この「土偶」の方が「津軽さん」より文様が緻密です。
もちろん土中の保存状態の問題もあります。


1.一番の違和感は「目」「鼻」「口」の位置関係です。
 「室蘭さん」ではまともな?位置関係でしたのに。


2.つまり顔の上下が極端に圧縮されているわけで、
 「額」と「顎」がありません。


3.鼻が目より上に、口もほとんど目の間にあると
 いうことが特徴でしょうか。


4.首のあたりを見ると、旧式の重潜水服のように
 首から上がスポンと脱げそうです。
 ただし首が異様に太いと感じます。


5.鼻の孔は二つ見えますが、
 すぐ上の「角」から左右に張り出した「球」状のものが、
 鼻の穴を半ば塞ぐように。


さてこれらの特徴、
異常に大きい「目」、中心に集約されている「口」「鼻孔」
  私には「触覚」に見える「鼻の飾り」。
   この顔は何を現しているのでしょう?


これのオリジナルが「巫女」だとすれば
(女性であるとは限らない可能性も)、御宣託とかお告げ、
占いをしなければならないわけで、そうであれば「神様?」が
降りてくるのでしょう。
 簡単に言えば危ない「草」や怪しげな「薬」を使っても
トランス状態になる必要があるわけです。


 私は最初この頭部の被り物は頭部をギュッと縛って
着ぐるみの中を「酸欠」状態にするのかとも考えました。
 しかし土偶の頭頂飾りをよくみると「隙間」がありますし、
上に挙げた「八日町さん」ではまったくオープンですから
この考えは捨てました。


 大きい独特の「目」ですが、あれは「未来」も「過去」も
見通す目というアピールでしょう。
目がキチンと開かずに「横線」だけなのは、
大きく開けると「魔」が入るのでこれを防ぐためと
いわゆる「半眼」をつくり出す仕組みだと思います。


経験がおありでしょうが、この「半眼」状態では、
まぁひどく酔っぱらえば自然にそうなりますが、
周りのモノが見えるような、見えないような状態です。
 実際にありもしないものが見えたりしますよね。
 脳を騙して「たそがれ」状況をつくり出すのでしょうね。
 「物の怪」が見やすいように。


さて私はもう少し突っ込んで考察してみました。
 くどいですが、裏付けはありません。
このマスクを見ているとどうしてもある生物の
顔を連想するのです。
 写真の拡大ですともう少しはっきりしますが、
どう見てもこの巻きひげのようなものが「触覚」に思えるのです。
  そして異様に大きい目。


 私はここからトンボというより「ハエ」を連想しました。
確かにトンボには精霊というイメージがありますが、
 「ハエ」に「再生」のイメージを感じたのです。
ゴミというより「死体」から生じてくるもの。
 「ウジ」はそのまま「死」という「穢れ」を象徴しますが、
その「穢れ」の塊から再生して飛び立つものに
「生き返り」を見たのではないのかと。


 当時の人間から見れば、「死」と「再生」が
 とても安易に起こるように思えた。
  意味するところは「死の国」と「現世」を
  いとも簡単に行き来する存在だと。


そしてそれは「過去」と「未来」を見通し「力」に転化されたわけでしょう。



この遮光式土偶については、他の考察も幾つかしましたので、
機会があればまた。





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