エロスの住人スペシャルエディション《2002.12.23》

あれから2年、NEAR計画に垣間見る謎を再考証


433エロス。「愛の神」の名を持つこの天体は、地球に接近する小惑星の中では1036ガニメドに次いで2番目に大きなものである。
エロスは長径33Km短径13Kmと火星の衛星フォボスよりも大きい。
また、炭素系コンドライトのフォボスに対し、エロスはSタイプと呼ばれる石質の天体であり、
近い軌道位置にありながら両天体の組成には大きな違いがある。
NASAはこの小惑星に「地球外資源探査」の名目で初めての小惑星探査機「ニア・シューメーカー」を送ったのである。


ところで記念すべき初の小惑星探査が何故「エロス」なのであろうか。
地上からのスペクトル観測によればエロスの組成はごくありふれた「石質」のはずだ。
太陽系の起源を検証すのであればエロスは面白い対象とは思えない。
将来的な資源調達までを視野に入れれば月の方が遥かに距離が近く資源も豊富だ。
その目的は本当に「資源探査」だったのだろうか。
実は、石質は表面だけで内部は別の物質だと考えていたのではないかと思われる節がある。


エロスは28年周期で火星と交叉し7年毎に地球に接近する。
その軌道は太陽系の平面より傾斜しているため衝突することなく正確に会合を繰り返している。
しかし、これは非常に不思議なことでもある。
近年立て続けに地球との衝突が危惧される小惑星が発見される状況を見てもわかるように、
惑星の重力の影響を受ける小天体の軌道を長期間予測することは現代でも不可能なのだ。
地球の大気の影響を受けない静止衛星も姿勢制御無しではすぐに軌道を外れてしまう。
そう考えるとエロスは何らかの方法で姿勢制御されているのかも知れない。


《2012年の会合では0.175AUまで地球に接近》
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1999年12月20日、探査機は来るべき2000年2月の軌道挿入に向けて減速するミッションに入るはずであった。
小惑星の引力は途方もなく小さいと推定されている。
エロスの場合は細長い形状のため引力も複雑なパターンを持ち、地球の1/1600から1/3200となる。
探査機が衛星となるために重要な意味を持つ脱出速度は秒速9.8m(時速35Km)である。このため、
探査機はエロスの軌道挿入までに、自転車並の秒速6m(時速22km)にまで減速する必要があった。
午後5時、探査機に最大の危機がおとずれた。主要なエンジンの点火が異常終了したのだ。
そして、探査機は自律プロトコルでこのミッションを引き継ぎ、12月21日の午後8時に回復するまで、自動的に減速が行われた。


「探査機の故障」宇宙開発では度々聞かれる言葉である。
一部の研究者の間では、月など小天体の重力は物理の法則以上に大きいと言われている。
また、エロスが加工されていて中空の天体だとすればやはり計算が違ってくる。
実はシューメーカー探査機はもう1年早くエロスの軌道に入るはずであったが、
減速ミッションに失敗し予定の100倍の速度でエロスを通過してしまっていたのだ。
人の手の届かないところで行われた今回の減速はもしかすると
エロスの本当の重力を知られてはまずいという意図が介在したのではないかという気さえしてくる。


シューメーカー探査機がエロスに向かう途中に観測した56kmの小惑星マチルダには20kmもの大クレータが存在していた。
驚くべきは平均的な石質小惑星の密度が2.5であるの対し、マチルダは1.3と異常に低密度だということだ。
これは砂漠にまき散らかされた砂の密度より小さく、固体の天体としては存在しえないことを意味している。
「中空の天体」その言葉が現実味を帯びて蘇える発見である。しかし不思議である。
エロスにしても火星のフォボスにしても、本体に対して異常に大きいクレータを持っていた。
フォボスの大クレーター(スティークニー)が火星の気象コントローラと囁かれているように、
映画スターウォーズのデススターを連想させるこれらの特徴は、小天体に共通する何らかの装置なのかも知れない。
エロスの場合で言えば定期的な火星、地球とのランデブーにより、惑星相互間をの情報連携して環境をコントロールすることもできるのだ。


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1月12日エロスまで44,000Km解像度400m、エロスは82ドットx32ドットの大きさである。
5時間周期で明るさの変化する細長い小惑星の正体が明らかになった。
1月22日28,600Km、2月1日11,600Km、2月6日6,800km、2月10日3,300Km・・・
接近とともに画像の解像度も上り、エロスが「靴の形」をしていることが明らかになった。
なんという偶然か、探査機の名前はシューメーカ「靴屋」なのである。
2月14日バレンタインデーにシューメーカー探査機は半径333kmの軌道に乗り、小惑星初の人工衛星となった。
この時点で解像度は35mとなり多くの特徴が判明してきた。
靴の上側の窪みは直径6kmのエロス最大のクレーターであり、
底部に当たる「えぐれ」はそのクレーターの衝撃で反対側の本体が飛散したものと発表された。


解像度が上がれば上がるほど無数のクレータが明瞭になってくる。
NEARの科学者によりそれらの数およびサイズが特定され、コンピューターで数に関する統計を計算した。
それによって1Kmクラスのクレータは「単位面積当たりの一般的なクレーター密度」を持ち、それより小さいものはさらに多く、
表面を埋め尽くして密接した「幾何学的な飽和」の状態を示している。
大気がある惑星では小さな隕石は投石程度に減速されクレータを作ることはできないが、
真空の小惑星ではどんな小隕石でもインパクトが衰えない・・そう考えた瞬間不思議な気持ちになった。
シューメーカー探査機は毎秒6mと、投石より遥かに遅いスピードで軌道を回っていたのではないか。
エロスの脱出速度は毎秒9.8mである。当然エロスの軌道上の物体は全て「同じ方向に」公転している。
エロスのクレータは、このスピードで引かれた物体によって作られているはずである。
こんな引力の小さい衛星に月と変わらぬ割合でクレータなど作ることなどできるのだろうか。
しかも、小さいクレータは「幾何学的な飽和」状態にあるのだ。
石質の表面と無数のクレーターは機械装置をカムフラージュするための迷彩服なのかも知れない。


5月に入り探査機の軌道は50Kmに下げられ、画像の解像度は4mにまで拡大された。
それと同時に目を疑うような驚くべき画像が公表されはじめた。エロスの様相が俄然変わってきた。
それまで単に大きな岩塊に見えていたエロスが、実はある意思を持った天体だということが明らかになってきたのである。


《姿勢制御エンジン》
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この真上からの俯瞰画像には太陽側斜面の反射が見られない。
このことから側面は垂直に切り立っていると考えられる。影の形からかなりの高さを持ち直線で構成されていることが伺える。
拡大画像では右上にモヤのような反射とぼやけた影が見えてくる。これは今まさに動作している姿勢制御エンジンではないだろうか。
しかしそのような施設があるとすれば、周辺に関連設備が見当たらないのはおかしいではないか。
いや、小惑星の世界にこのような装置を作れる進んだ文明では、移動手段やエネルギー供給方法も我々の想像を超えているはずだ。


《砲台》
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この物体は長方形の80mx50mの台座部分に、45度回転した80mの2本のパイプを重ねた構造をしている。
その形は砲台を思わせるものだ。前方のクレータ壁面には着弾を思わせる黒い放射状の痕跡が見られる。
しかし、低重力のエロスで弾丸を発射すれば反動で跳んでしまう。砲台だとすればビーム砲だろう。
ここはエロスの防衛線、あるいは演習場ではないだろうか。


《散らかした跡》
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画像左下には80mx150m程の「真新しい」荒地がある。この画像を見て、感じたことは「地面を掻き散らす何らかの物体が存在した跡」である。
それは、まさしく前述の砲台ではないか。


《宇宙船》
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800mほどのクレーターの斜面に、40mのひょうたん状の物体が存在している。
ほぼ全形の影を落としていることから、物体は45度ほどで横に傾いているはずだ。
侵食はないはずの小惑星表面で、これほど滑らかな丸みを帯びた自然の物体が存在するだろうか。
これは今まさに飛び立とうとするエロスの住人の宇宙船ではないか。そして何と、
これとそっくりな物体が、30年前のアポロの地球周回軌道上の写真にも写っているのだ。
俯瞰角度は多少違うようだが、同じものと見て間違いなさそうである。するとアポロの物体も40mはあるだろう。
宇宙空間で同じ形のものが存在するいうのは意味深い。
惑星の真実のイサムさん提供)

《埋もれた宇宙船》
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この鋭角的な物体は一見すると埋もれた岩のようだが、影の部分に重大な情報が隠されている。
明度を上げると窓のような階層構造が現れてくるのだ。着陸中の宇宙船ではないか。
実は、火星にもこれに似た物体が存在していた。
PlanetQueryのクエリさん提供)

《飛行中の宇宙船》
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ロケット状の物体が写されている。浮いているように見える。
太陽光線はは右から射しているが物体のすぐ左側には影がないことから、この物体は空中に存在すると思われる。
飛行中の宇宙船であろう。


《格納庫》
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中央右の高さ30m幅20mの岩群には、何と入り口が存在する。宇宙船の出入り口だろうか。


サドルと呼ばれるえぐれたエリアの著しい特徴は有り余るほどの巨石の数だ。
その由来はサドルができた際の破片であると説明されている。しかし、ある矛盾に気づかされる。
エロスの脱出速度は秒速9.8mだったはずだ。
巨大クレータが形成される衝撃で飛ばされた破片が秒速9.8mにも満たないほど緩やかなどということが想像できるだろうか。
秒速9.8mを超える破片は二度とエロスに戻れないのである。地球人が資源を小惑星に求めるなら、宇宙人も同じはずである。
そして彼らが、我々より進んだ技術を持ち合わせているならば、エロスがすでに想像を超えた天体に改造されていてもおかしくない
。これをうまく説明するには「クレータは緩やかに削られたもの」で、「巨石は機械装置」と置き換えて考えるとつじつまが合ってくる。


《巨石の正体》
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100m級の巨大な岩塊に埋められた地形。しかしよく見ると、荒涼とした地形にもある秩序が見出されてくる。
その秩序を監視するように配置された奇妙な4つの構造物が存在する。


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@円形の台座の上に開口部を持つ構造物。台座の部分には歯車の噛み合わせたような構造が見られ、掘削機を思わせる。
A円形の機械装置を斜め上方に向けた滑らかな質感を持つ構造物。外部との通信施設か。
Bこの物体は良く見ると蜂の巣のような複雑な構造の上部を持ち、ドーナツ状の塀で囲まれている。位置関係から見て管制塔のようである。
Cコマを思わせる形状の物体の周りを巨石が円形に囲んでいる。影の長さから、かなりの高さを持つことがわかる。
司令塔あるいはエネルギーの中心設備だろうか。


サドルは何者かがエロスを加工した痕跡なのだ。そしてその機械装置は現在も設置されているのであろう。

《流れ出た地形》
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何かが湧き出て流れ落ちたような侵食痕。微小重力で真空の世界にも液体が存在した?あるいはサドルを削った痕跡なのか。
円形陥没痕は直径約100m、深さ10m程の大規模なものだ。


《クレータを覆う円盤》
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高解像度画像には不思議な形状のクレータが見られる。約80mの円盤状の物体に覆われたクレータ。
中心部がやや盛り上がり、円周には規則的な起伏が見られる。このような地形は他に例が無い。
そして、この物体の少し右にほぼ同じサイズの円形状に並んだストーンサークル。エロスの住人の記念碑だろうか。


《謎の影》
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モザイク画像の右端のクレータ内には周壁の影とともに塔のような影が存在する。
しかし、この影を落としている物体がどこにも存在しないのだ。明度を上げても、それ以上の情報は出てこない。
それは消されてしまったのか。エロスの影には何やら重要な秘密があるかも知れない。


《シェルター》
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地平線上に存在するシェルター状の物体。
入り口や窓のようなスリットとぶ厚い壁で構成された頑強なイメージは、宇宙船エロス号の総指令室を思わせる。


NEAR計画で撮影された10万枚の画像のうち、公開されたものは動画も合わせて数千ショット、わずか数%に過ぎない。
不思議なことに、今回指摘した画像はフル解像度の画像が公開されていない。縮小版しか見ることができないのだ。
しかも、これら人工物と思われるエリアは後から同じエリアの別角度の画像が公開され、次々と形を崩して行った。
文字どおり自然の風景へと風化させられてしまうのだ。
逆に言えば日に一枚という貴重なスペースに同じエリアを公開するということは、
NEARが「特に感心を示している」隠したい地形と言うこともできる。


《エロスの居住区》
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約600mのクレータの手前に入り口を持つ箱状の物体。そして、中央地平線付近には街のように密集したビル大の白い物体群。
これらは整然としていてあまりにも「不自然」に見える。エロスの住人の居住区か。


エロスは実に活動的で魅力的な天体である。火星の人面岩を「自然の山」と言いながら、何度も走査しているNASAのことであるから、
エロスも同様に軟着陸やサンプルリターンなどの計画が浮上して来るだろう。
探査機は着陸のための構造ではなかったが2001年2月12日に硬着陸を試みて成功させた。
着陸直前に撮られた映像には大いに期待を寄せていたが、最大数cmの超高解像度画像はその解像度ゆえ視野が狭く、
人工物を判別するために十分な視界を得ることはできなかった。
着陸後も探査機は太陽電池パネルにエネルギーを受ける夏季にはデータを送り続けている。
また、ミッションの膨大なデータを分析し終えるまでには、約一年間が必要とされている。新たな情報を含めて是非近々再検証したい。




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